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再進学(学び直し)

大学中退者の就職事情は?大学中退者が就職を成功させるためのポイントについて解説

「大学を中退すると、就職活動で不利になるのでは?」と不安になっている方は多いでしょう。確かに大卒という学歴がないぶん就職のハードルは上がりがちですが、中退後の行動によっては就活を有利に進めることが可能です。

 

本記事では、大学中退者の就職事情や、中退後の主な進路、おすすめの職種や業界、就活を有利に進めるポイント、持っておきたい資格や就活時の注意点について解説します。

大学中退者の就職事情

独立行政法人労働政策研究・研修機構が公表しているデータによると、2012年度調査における大学・大学院中退者(離学前含む)が正社員として就職した割合は全体の33.9%です。なお、正社員以外で働いている人の割合は45.7%、未就業の割合は13.9%となっています。

 

同データにおける大学・大学院卒の正社員就業率は69.1%、未就業の割合は3.3%なので、大卒者と比べると正社員就業率はかなり低く、かつ未就業率が高いことが分かります(※)。

 

やや古いデータなので必ずしも現状とは一致しないかもしれませんが、わずか十年強で大卒者と同等の水準まで正社員就業率が急上昇したとも考えにくいため、正社員就業については大卒者に比べてある程度不利と思っておいた方がよいでしょう。

希望の職業に就くには工夫が必要

 

大学中退者は大卒者よりも就活で不利になりがちと説明しましたが、正社員になるのが不可能というわけではありません。

 

特に現代日本は少子高齢化によって、どの産業も慢性的な人手不足に陥っているため、就職は売り手市場です。企業側も人手不足を補うために即戦力を求めているため、学歴よりも実力主義で採用しているところが増えているとされています。

 

ただ、学歴社会が根強く残っているのも事実です。希望の職業に就くためには大卒者に引けを取らないスキルや資格などが求められるほか、就活時にもコツやポイントを押さえておく必要があります。

大学中退者のその後の進路

大学を中退した人の進路は大きく分けて5つあります。それぞれの進路に特徴やメリットがあるため、じっくり比較した上でご自分に合った道を選びましょう。

他の大学、専門学校への転学

 

大学を中退後、他の大学や専門学校に転学するパターンです。自身が興味・関心を抱く分野の知識を学べる大学や、資格試験対策に特化した専門学校に進学すれば、それぞれの学校を卒業した後、やりたい仕事やなりたい職業に就職しやすくなります。

 

ただ、転学には編入試験や入学試験に合格する必要があります。また、それぞれの学校に通うための学費も必要になるため、経済面で問題がないかどうか、きちんと考えることが大切です。

公務員になる

 

公務員試験は年齢制限こそあるものの、学歴は不問なので、大学中退者でも試験に合格すれば公務員になることができます。公務員の就職先は省庁や役所など、国や自治体が運営する機関なので、民間企業に比べて倒産や破産などの心配がなく、また業績不振などによるリストラのリスクもないところが利点です。

 

大卒程度試験を受験すれば、初任給や昇給も大卒者と同じ水準でのスタートが可能となります。ただ、公務員試験は毎年倍率が高く、試験自体も簡単なものではありません。

 

さらに公務員試験が実施されるのは年に1回のみなので、大学中退後、ブランクを空けずに公務員になりたい方は計画的に試験勉強を行う必要があります

民間企業に就職する

 

前述のとおり、近年は実力主義で採用している企業が増えてきているため、大学中退者の就職先の選択肢も増加傾向にあります。

 

公務員に比べると倒産や破産などのリスクがあり、かつ賃金や昇給も法令によって定められているわけではないので、やや安定性には欠けますが、その反面、実力があれば学歴や年齢にかかわらず評価されやすいという利点もあります。大学中退者でも、スキルと能力があればどんどんキャリアアップできる可能性があるため、向上心が旺盛な方に適しているでしょう。

 

一方で、会社によってはいまだに学歴を重視しているところもあり、就職先は慎重に検討する必要があります。

フリーターになる

 

あえて定職に就かず、アルバイトやパートで稼ぐという方法もあります。フリーターになるメリットは、公務員や民間企業の正社員に比べて労働時間の融通が利きやすく、空いた時間を他の目的に有効活用できるところです。

 

例えば、アルバイトやパートで生活費を調達する傍ら、空いた時間で試験勉強をして資格取得をめざすケースは多いでしょう。学業と労働を両立しやすいところがフリーターの利点ですが、フリーター生活が長引くと、いざ就職する際、大学中退してからのブランクが空きすぎているという理由で、就活で不利になるおそれがあります

 

また、将来の明確なビジョンがあって一定期間フリーターになるという場合は問題ありませんが、「とりあえずアルバイトやパートで生活する」という安易な考えでフリーターになると、いたずらに時間だけが過ぎてしまい、就活で苦労する可能性があるので注意しましょう。

フリーランスになる、起業する

 

持ち前の知識やスキル、資格を活かしてフリーランスになる、あるいは起業する人も少なくありません。中には大学在学中から既に事業を開始しており、仕事に専念するために中退を選ぶという人もいます。

 

一方、中退してから起業に向けて本格的な活動を開始する人もいますが、その場合、中退してから起業するまでにブランクが空いてしまうおそれがあります。また、フリーランスや起業は公務員や民間企業の正社員と比べて収入が安定していません。

 

事業が軌道に乗れば就職した場合より多くの収入を得ることも可能ですが、逆にうまくいかなければ定収入を得られず、行き詰まってしまうリスクもあります。そのため、中退後にフリーランスや起業を検討する場合は、事業に必要な知識・スキルを習得する、あるいは資格を取得するなど、相応の準備を整える必要があるでしょう。

大学中退者におすすめの職種や業界

大学中退後に就ける職種や業界は複数ありますが、ここでは特におすすめの職種・業界を5つピックアップしてご紹介します。

公務員

 

前述のとおり、公務員は倒産や破産などのリスクがなく、かつ年功序列の賃金・昇給制度が導入されているため、安定して働けるところが魅力です。公務員になるための試験には、高卒程度と大卒程度の2種類がありますが、これらは学歴による区分ではなく、高卒程度、あるいは大卒程度の知識レベルが求められる試験であることを意味しています。

 

そのため、学歴では高卒に該当する大学中退者でも、大卒程度の公務員試験を受けることが可能です。ただし試験を受けられる年齢には制限があるので注意しましょう。

 

大卒程度は高卒程度よりも試験範囲が広く、より多くの知識を要求されますが、そのぶん採用後の待遇は高卒程度よりも良いので、大学中退者が公務員をめざすときは大卒程度の合格をめざすのがおすすめです。

営業職

 

営業職は数ある職種の中でも特に実力主義の傾向にあるため、能力さえあれば大学中退者でも正社員になることが可能です。インセンティブ制度を導入している企業であれば実績を挙げることで賃金アップが望めますし、昇給のチャンスも与えてもらえるので、若いうちに出世するケースも珍しくありません。

 

ただ、営業実績をあげるにはコミュニケーションスキルやヒアリング能力、プレゼンテーション力など多彩な能力を求められるため、スキルアップのための努力が不可欠となります。

経理職

 

経理はどこの会社にも存在する職種なので、比較的求人数が多く、選択肢の幅が広いところが利点です。

 

経理では主に会社のお金の管理や書類の仕訳、売上・仕入の記録といった事務処理を行うため、作業の正確性や手際の良さといったスキルが求められます。また、経理業務には専門知識である簿記資格、パソコンでの作業が欠かせないので、WordやExcel、PowerPointなどの各種ソフトを使いこなすスキルが必要です。

 

逆にいうと、資格やスキルが備わっていれば、学歴や経験の有無にかかわらず採用してもらえるため、大学中退者に適した職種とされています。

IT業界

 

ITは今や人々の生活になくてはならない分野であり、市場規模は年々拡大傾向にあります。

 

そのため、IT業界では慢性的な人手不足に陥っており、経済産業省が公開している資料によると、IT業界における人材不足規模は2030年時点で約59万人に達すると予想されています(※)。そのため、IT業界では学歴・経験不問で人材を募集しているケースが多く、大学中退者でも正社員として採用され、現場で活躍できるチャンスがあります。

 

ただ、IT業界では相応のスキルが求められるため、就活の前に情報処理系の資格取得や、パソコンスキルの習得などをめざすなどの努力が必要です。

 

なお、ITスキルはIT業界だけでなく、他の業界でも役立つスキルです。特に近年は国も推進しているDX化の影響により、どの企業でもITスキルを持つ人材を必要としているため、ITのスキルを養うことは就活の選択肢を増やす一助になるでしょう。

建設業界

 

数ある産業の中でも、特に人材不足が深刻化しているとされているのが建設業界です。他の産業に比べると肉体労働がメインとなるため、相応の体力は必要になりますが、学歴や経験は不問で雇ってもらえるケースがほとんどなので、大学中退者の有力な進路の一つになるでしょう。

大学中退者が就活を有利に進めるためのポイント

大学中退者が就活を有利に進めるために押さえておきたいポイントを2つご紹介します。

なるべく早めに就活を始める

 

大学を中退してから就活を始めるまでに期間が空きすぎると、「無計画に中退したのではないか「ぶらぶら遊んでいたのではないか」など、マイナスの印象を持たれる可能性があります。

 

資格取得のために勉強していたなど、正当かつポジティブな理由があればよいですが、そうでない場合はなるべく早めに就活を始めた方がよいでしょう。

中退の理由を考えておく

 

大学中退者の場合、面接で中退した理由を尋ねられますが、ただ「大学が合わないと思ったから」といった説明をすると、「嫌なことがあったらすぐに投げ出す性格」と認識され、就活で不利になってしまうおそれがあります。

 

言い方一つでマイナスイメージを持たれてしまうこともあるので、上記の理由なら「より自分の興味・関心を持つ分野でチャレンジしてみたかったから」といったポジティブな言葉に置き換えるなど、伝え方を工夫してみましょう。

大学中退者が持っておきたい資格

大学中退者が就活を有利に進めるために持っておきたい資格を3つご紹介します。

簿記

 

帳簿を付けるために必要な簿記の技能は、経理職に欠かせないスキルの一つです。簿記の資格を持っていれば、経理業務に必要な知識とスキルを有していることの証拠となるため、経理未経験者でも採用される可能性が高くなります

MOS

 

MOSとはマイクロソフトオフィススペシャリストの略称で、WordやExcel、PowerPointといったOfficeソフトを活用するスキルを評価・証明する資格のことです。MOSを保有していれば、パソコンでのデスクワークに必要不可欠なOfficeソフトを問題なく使いこなせることをアピールできます。

 

Officeソフトは業種に関係なく活用する基本的なツールなので、どの産業に就職する場合でも役立つでしょう。

ITパスポート試験

 

ITパスポート試験とは、ITを利用する人が備えておくべきITに関する基礎的な知識を保有することを証明する国家試験です。

 

試験では、AIやIoTなど新しい技術に関する知識はもちろん、セキュリティやネットワークに関する知識、プロジェクトマネジメントの知識、さらには経営全般やマーケティングといった形成に関する知識まで、幅広い知識が求められます

 

IT業界への就職をめざしている方はもちろん、DX化に力を注いでいる企業への就職を希望している方に適した試験です。

大学中退者が就職する上での注意点

大学中退者が就活を有利に進めるために押さえておきたいポイントを2つご紹介します。

学歴に注意

 

大学を中退すると、最終学歴は高卒になります。学歴を採用基準の一つにしている企業に応募した場合、高卒は大卒よりも不利になり、書類選考の時点で落とされてしまう可能性があります。

 

そのため、就職先を選ぶ際はなるべく学歴不問のところを選ぶか、学歴をカバーできるスキルや資格を取得するようにしましょう

就職先を選ぶときは慎重に

 

大学を中退してから就活を始めるまでの期間はなるべく短めにと説明しましたが、焦るあまり、適当に就職先を選んでしまうのもNGです。

 

その企業のことをよく知らないまま応募して採用された場合、自身がやりたいことや保有する能力と、企業が求める人材との間にミスマッチが発生する可能性が高くなるからです。

 

短期間で離職し、再度就活を始めると、大学中退の経歴と相まって「計画性のない人」と認識されてしまう可能性があるので、就職先を選ぶときは念入りに自己分析した上で、ご自分に合った就職先を選択しましょう。

大学中退して就職する際はスピードと下準備が大切

大学中退者が就職をする際は、なるべくブランクを作らずに就活を開始することと、自身のやりたいこと・スキルに適した就職先を選ぶことが大切です。また、大学中退には少なからずマイナスイメージを持たれるため、面接の際は中退したことに関するポジティブな理由を考えておくとよいでしょう。

 

学歴をカバーする方法として、希望する業界や業種に必要なスキル・資格の取得をめざすのもおすすめです。

 

仙台大原簿記情報公務員専門学校では、就職活動に役立つビジネススキル、資格の取得をめざす系統・コースを多数ラインナップしています。入学後でもめざす進路によってコースや在籍年数を変更することができるので、本当にやりたいことや就きたい職業に向かって活動できます。

 

再進学される方にも選ばれている学校のため、高校新卒以外の学生の就職サポート体制も充実しています。大学中退後に就職のためのスキルアップや資格取得をめざしたいという方は、ぜひ仙台大原簿記情報公務員専門学校をご検討ください。

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【この記事を書いた人】

仙台大原簿記情報公務員専門学校

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