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大学中退から正社員になるには?正社員になれる人の特徴やコツを交えて解説
文部科学省の調査によると、令和3年に大学を中退した人の数は5万7,875人です。
統計上は学生全体の1.95%が何らかの理由で大学を中途退学しています。
大学を中退したからといって、その後のキャリアを諦める必要はありません。正社員になれる人・なれない人の違いを知って、就職活動に活かしましょう。
本記事では、大学中退後に正社員をめざす方法や、正社員就職に成功する人に見られる共通点、就職活動で注意したいポイントについて解説します。
目次
大学中退から正社員になれる人の割合
大学を中退すると、最終学歴は高卒(高校卒業)と同等の扱いになります。
大卒や高専卒(専門学校卒)の方と比べると就職面で不利になるため、大学中退から正社員をめざすのは難しいと感じる方もいるのではないでしょうか。
しかし高卒者の求人倍率を見ると、大学を中退した方が正社員になるのは決して不可能ではないことが分かります。
以下の表は、厚生労働省の「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況(令和5年度)」から抜粋したものです。
最終学歴 |
求人数 |
求職者数 |
求人倍率 |
高卒 |
約46万5,000人 |
約12万3,000人 |
3.79倍 |
※学校やハローワークからの職業紹介を希望した生徒が対象
最終学歴が高卒の方の求人倍率は3.79倍で、前年度の調査から0.5ポイント増加しています。
求人倍率とは、求職を希望する人数に対し、どの程度の求人があるかを表す指標です。
求人倍率が3.79倍ということは、企業が求職者一人に対し3.79件の求人を出しているということを意味します。
つまり高卒者が正社員として就職できる確率は決して低くはありません。
高卒者の求人倍率は増加傾向にあり、大学を中退した方でも努力次第で自分らしいキャリアを実現できます。
なお、上記の表は高校新卒者を対象としていますが、高校卒業後3年以内に大卒を中退した場合、第2新卒として新卒枠での求人応募が可能です。
大学中退から正社員になれる人の特徴
大学中退後、正社員になった人には以下のような共通点があります。
- 自己PRが得意な人
- 資格取得に取り組んでいる人
- 会社説明会や面接会に積極的に参加する人
大学を中退しても、目標を立てて計画的に就職活動をすれば、希望する職種の正社員になれる可能性があります。
正社員になれる人の特徴を知り、就職活動に活かしましょう。
自己PRが得意な人
1つ目の特徴は、自己PRが得意な人です。
就職活動を成功させるには、自分の持つ強みやスキル、仕事に対する熱意などをしっかりと採用担当者にアピールする必要があります。
就職活動で自己PRをする機会は、書類選考と面接です。
書類選考で提出する履歴書やエントリーシートは、事前に時間を掛けて準備できます。しかし面接では、初対面の人を相手にして、限られた時間で自己PRをしなければなりません。
そのため正社員就職に成功した人のほとんどは、時間をオーバーしないように話す練習や、具体的なエピソードを交えて話す練習など、事前にしっかりと面接対策を行っています。
面接に苦手意識がある方は、仙台大原簿記情報公務員専門学校にぜひご相談ください。
仙台大原では、本番を想定した面接対策を繰り返し行っているため、万全の状態で採用面接に臨めます。
資格取得に取り組んでいる人
2つ目の特徴は、希望する職種に役立つ資格取得に取り組んでいる人です。
大学を中退すると、最終学歴が高卒になるため、大学や大学院卒、高専卒(専門学校卒)の方と比べると就職面で不利になります。
資格の取得は、大学を中退した方が学歴における差を覆し、なりたい職業に就く手段の一つです。
資格を取得すれば、その分野において一定の知識やスキルを持っていることを証明できるだけでなく、採用担当者に継続力をアピールできます。
特に国家試験は、取得するために数百時間から数千時間の学習を要する資格です。
もし国家試験に合格できれば、粘り強く努力を続けた証として、採用担当者から高く評価される可能性があります。
会社説明会や面接会に積極的に参加できる人
3つ目の特徴は、会社説明会や面接会などのイベントに積極的に参加している人です。
企業は採用活動の一環として、会社説明会や面接会を開催し、会社案内やホームページだけでは伝わらない自社の魅力を発信する場を設けています。
求職者にとって、そうしたイベントは企業の採用担当者と直接やり取りし、アピールするチャンスでもあります。
正社員をめざす方は、採用担当者に自分自身を印象付ける手段の一つとして、会社説明会や面接会への参加を検討してみましょう。
大学中退から正社員になれない人の特徴
一方、就職活動に力を入れているのになかなか結果が出ない人もいます。
そうした人には、以下のような共通点があります。
- 自分のやりたいことが分からない人
- 自分に自信を持てない人
- 企業に求める条件が多すぎる人
自分のやりたいことが分からない人
1つ目の特徴は、自分のやりたいことが明確に決まっていない人です。
就職活動を始めたばかりの方の中には、「やってみたい仕事はないけれど、とりあえず正社員として働こう」という動機で求人に応募している方もいるでしょう。
しかしやりたいことが明確でないまま就職活動をしても、なかなか採用にはつながりません。
例えば面接などでも、どこかで聞いたような言葉を並べるだけにとどまれば、志望動機や仕事に対する熱意がしっかりと相手に伝わりません。
もし就職先が見つかっても、入社後に仕事が合わないと感じ、早期離職してしまう方もいます。
自分が本当にやりたいことがまだ分からない方は、自己分析に時間を掛けることが大切です。
急いで就職活動をするのではなく、自分の強み・弱み、能力やスキル、興味関心のあることなどを洗い出し、客観的に自分自身を分析、理解することから始めましょう。
自分に自信を持てない人
2つ目の特徴は、自分に自信を持てていない人です。
大学を中退した方の中には、ご自身の経歴に強いコンプレックスを感じている方もいるでしょう。
就職活動がうまくいかない原因の一つは、そうしたコンプレックスが自信のなさとして態度に表れ、採用担当者にマイナスの印象を与えているからです。
大学を中退したからといって、正社員として就職できないわけではありません。
大学を中退した方の中にも、取得した資格やスキルを活かし、自分らしいキャリアを歩んでいる方もいます。
就職活動の際は気持ちを切り替えて、明るく堂々とした態度で採用選考に臨みましょう。
自分に自信を持つという意味でも、一度自己分析を行って強みや長所を探してみることをおすすめします。
企業に求める条件が多すぎる人
3つ目の特徴は、企業に求める条件が多すぎる人です。
就職活動では、入社後のミスマッチを防ぐため、勤務時間や休暇制度、仕事内容、勤務地、給与、福利厚生など、企業に求める条件を事前に洗い出しておくことが大切です。
しかし企業に求める理想が高すぎると、当てはまる企業が少なくなり、就職活動が長引いてしまう原因になります。
大学を中退した方の中には、第一希望の企業に就職するという夢を叶えた方もたくさんいます。
しかし大学を中退すると、大卒や高専卒(専門学校卒)の方と比べて、どうしても就職面で不利になってしまうのが実情です。
働いてみたい企業がなかなか見つからない場合は、企業に求める条件を2~3個程度に絞って、広い視野で求人を探してみましょう。
大学中退から正社員になるための方法
大学中退から正社員をめざす方法は、大きく3つに分けられます。
- 正社員登用制度でキャリアアップする
- ハローワーク(公共職業安定所)の職業紹介を受ける
- 専門学校やスクールで資格を取得する
正社員登用制度でキャリアアップする
1つ目の方法は、正社員登用制度を利用する方法です。
正社員登用制度とは、パートやアルバイトなどの非正規雇用労働者を正社員(正規雇用労働者)として登用する制度です。
雇用する企業は、非正規雇用労働者を正社員に転換すると、厚生労働省のキャリアアップ助成金などの支給が受けられるため、大企業だけでなく中小企業も積極的に導入しています。
なかなか正社員として就職できない方は、正社員登用制度がある企業にいったんパートやアルバイトとして就職し、正社員への転換をめざすのも一つの方法です。
ハローワーク(公共職業安定所)の職業紹介を受ける
2つ目の方法は、ハローワーク(公共職業安定所)から職業紹介を受ける方法です。
ハローワークとは、厚生労働省が設置している就労支援機関の名称です。
ハローワークに求職者登録を行うと、無料で就労支援を受けられます。
例えば、ハローワークに登録した企業の求人紹介を受けたリ、採用選考へのアドバイスをもらったりすることが可能です。
高卒者の場合、ハローワークへの求人申込書は毎年6月1日に受付が始まり、9月中旬から企業による選考が始まります。
ハローワークを利用して就職活動をする方は、年間のスケジュールを把握しておきましょう。
専門学校やスクールで資格を取得する
3つ目の方法は、専門学校やスクールで資格を取得する方法です。
大学を中退した方は、仕事に役立つ資格を取得すると希望する職種に就きやすくなります。
特に採用担当者へのアピールにつながるのが、国が定める国家資格です。
国家資格の中には、応募条件が不問の資格もたくさんあるため、どのような資格を取得すると就職活動に役立つかを知っておきましょう。
大学中退から正社員になるために取得するとよい資格
高卒者や大学中退者でもチャレンジできる資格には、以下のようなものがあります。
資格 |
向いている方 |
---|---|
基本情報技術者 |
ITエンジニアをめざす方 |
宅地建物取引士(宅建) |
不動産業界で働きたい方 |
中小企業診断士 |
経営コンサルティングの仕事がしたい方 |
旅行業務取扱管理者 |
旅行業界で働きたい方 |
通関士 |
輸出入に関する仕事に関わりたい方 |
登録販売者 |
薬局やドラッグストアに就職したい方 |
大学中退から正社員をめざすときの注意点
大学中退から正社員をめざす方は、就職活動を少しでも有利に進めるため、以下の2つの注意点を知っておきましょう。
- 大学を中退した理由をできるだけ前向きに説明する
- 企業研究や業界研究をしっかりと行う
大学を中退した理由はできるだけ前向きに説明する
面接などで大学を中退した理由を聞かれたら、できるだけポジティブに説明しましょう。
「人間関係がうまくいかなかった」「大学の勉強に付いていけなくなった」など、中退理由をそのまま伝えるだけでは、採用担当者にマイナスの印象を与えてしまいます。
もちろん、嘘の中退理由を伝えるのはNGです。
中退理由があまり前向きなものでない場合は、大学を中退した経験から何を学んだか、という視点を持ちましょう。
例えば「大学の勉強に付いていけなくなった」という中退理由の場合、「このままではいけないと感じ、自分を変えるため資格取得やスキルアップに励んだ」などと補足すると、中退理由をポジティブに説明できます。
企業研究や業界研究をしっかりと行う
また企業研究や業界研究に力を入れることも大切です。
面接などでは、採用担当者に応募した企業に関する質問をされる場合があります。
質問にうまく答えられないと、「この人はうちの会社に興味がないのでは?」という印象を与えてしまいかねません。
志望企業の事業内容や事業形態に関する情報はもちろん、競合他社も含めた業界の知識も深めておくと、採用面接を突破できる可能性が高くなります。
大学を中退しても努力次第で正社員になれる
大学を中退しても、その後の努力次第で正社員として就職することは可能です。
仕事に役立つ資格を取得したり、会社説明会や面接会に積極的に参加したりすることで、正社員になれる確率は高まります。
大学中退から正社員になれる人となれない人の違いを知って、自分自身を見つめ直してみましょう。
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