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税理士 公認会計士

高卒で公認会計士になれる割合は?メリットや合格率、めざす方法について解説

公認会計士は合格率が低い国家資格の一つであるため、高卒ではチャレンジできないと思う方もいるでしょう。結論からいうと、高卒であっても試験に合格すれば公認会計士になることは可能です。ただし大卒や専門学校卒の方に比べると不利な面もあるといわれているため、高卒の方が公認会計士の試験にチャレンジする場合は、合格のためのポイントを押さえて効率良く勉強することが大切です。

 

本記事では高卒から公認会計士をめざせる理由や、高卒者の公認会計士試験の合格率、高卒から公認会計士をめざすメリット・デメリットなどを解説します。高卒で公認会計士をめざす方は、ぜひ参考にしてください。

高卒でも公認会計士になれる理由

2024年4月現在、公認会計士法では公認会計士試験の受験資格について定められておらず、誰でも受験できます(※)。

 

また年齢制限も設けられていないことから、高卒から社会人になった方も問題なく公認会計士の試験を受けることが可能です。

学力・学歴による区分もなし

 

同じ国家資格である国家公務員などでは、学歴や学力に応じて試験区分が大卒程度、高卒程度など複数に分かれており、どの試験を受けるかによって職種や採用後の待遇に差が出る仕組みになっています(※1)。

 

一方で公認会計士試験には学歴・学力に応じた試験区分はなく、全受験者で試験の範囲や内容は統一されています。現在の学力や学歴に関係なく、全受験者が同じスタートラインに立って試験に臨めるのが公認会計士試験の特徴です(※2)。

公認会計士の合格率と難易度

金融庁が公開しているデータによると、令和6年公認会計士試験の各試験の受験者数と合格者数、合格率は以下の通りです(※1)。

願書提出者数

21,573人

短答式試験受験者数

19,564人

短答式試験合格者数

2,345人

短答式試験合格率

12.0%

論文式試験受験者数

4,354人

論文式試験合格者数

1,603人

論文式試験合格率

36.8%

最終合格率(論文式試験合格者数/願書提出者数)

7.4%

公認会計士試験は、短答式試験と論文式試験の2つで構成されていますが、まず短答式試験に合格しないと論文式試験を受験できません。令和6年試験における短答式試験の合格率は12.0%と低く、狭き門になっています。

 

なお、直近5年間の短答式試験の合格率は以下の通りです。

短答式:年

令和2年

令和3年

令和4年

令和5年

令和6年

合格率

16.0%

16.8%

11.8%

11.5%

12.0%

上記を見ても分かる通り、ここ5年間で公認会計士の短答式試験は6ポイント近く下がっており、よりハードルの高い試験になっていることが伺えます。

 

短答式試験は一度合格すると同試験が免除される制度がありますが、有効期間は2年間であるため、2年以内に論文試験で合格できなかった場合、再び短答式試験の受験が必要です。

 

一方の論文式試験については、短答式試験よりは合格率が高く、令和6年の試験においては36.8%の方が合格しています。ただ短答式試験と論文式試験の両方に合格するとなるとさらにハードルは高くなり、令和6年の試験の最終的な合格率は7.4%と過去最低値となりました。また直近5年間の最終合格率は以下の通りです。

論文式:年

令和2年

令和3年

令和4年

令和5年

令和6年

合格率

10.1%

9.6%

7.7%

7.6%

7.4%

短答式試験の合格率が年々減少している影響から、最終合格率も下降傾向にあります。特に令和4年、5年、6年における短答式試験の合格率は、令和3年までよりも低いため、難易度が上昇した可能性があります。

 

今後も同じような傾向が続くのであれば、今まで以上に公認会計士試験の対策に力を入れなければならないでしょう。

高卒で公認会計士は不利といわれる理由

公認会計士の試験には特別な資格要件がないため、高卒でも公認会計士になることは可能ですが、大卒に比べると不利といわれています。

 

実際、令和6年公認会計士試験の学歴別合格者調によると、大卒者の合格率(合格者/願書提出者)が7.7%、大学在学者は8.8%であるのに対し、高卒者の合格率は4.5%です。

 

大卒者に比べて高卒者の合格率が低い理由は、必要な学習時間が大卒者よりも長くなりやすい傾向にあるためだといわれています。

 

公認会計士の試験範囲は広範囲にわたりますが、このうち法律や財務、経理上学問については、大学の法学部や経済学部の履修科目と一部重複しています。つまり大学の法学部卒や経済学部卒の方は、大学の授業で履修したことを基盤に、公認会計士試験の勉強を進めることが可能です。

 

一方で高校では、大学の法学部や経済学部に比べて法律や財務に関する科目を詳しく履修しないため、実質ゼロからのスタートとなります。その分、大卒者よりもトータルの学習時間が長くなるため、試験でやや不利になる傾向にあるようです。

 

ただし大卒者との間に生じる差は、しっかりと試験対策をすれば埋められます。公認会計士の試験は大学などの入学試験とは異なり、定員オーバーで落とされることのない試験です。総点数の75%以上という合格ラインを満たせば試験に合格できるので、大卒者との差に関してはあまり気にせず、自分で立てた勉強スケジュールを基にしっかりと勉強し、合格をめざしましょう。

公認会計士に向いている高卒の特徴

公認会計士試験は学歴や年齢などを問わずチャレンジできる試験ですが、合格するのは至難の業です。また合格しても公認会計士として働くためにはさまざまな能力が求められます。そのため公認会計士試験に向けて勉強を続ける力や公認会計士として働く素養がないと、試験に合格できる確率が低くなったり公認会計士として長く活躍できなくなったりする恐れがあります。試験に挑戦する前に、自分に公認会計士になる適性があるのかどうかチェックしてみると良いでしょう。

 

ここでは公認会計士に向いている高卒の方の特徴を4つご紹介します。

忍耐力がある

 

難関とされる公認会計士の試験に合格するためには、自分で立てた学習スケジュールに沿って継続的に勉強する忍耐力が求められます。また合格率が1割程度と低いことから、一度不合格になってもめげずにチャレンジする、不屈の精神も必要とされます。

 

さらに晴れて公認会計士の資格を取得した後も、法改正に応じて知識をアップデートしたり、足りない知識を補ったりするために引き続き勉強が必要です。合格して終わりではなく、学習を継続できる忍耐強さがあるかどうかも、重要なポイントです。

論理的に物事を考えられる

 

公認会計士は企業が作成した財務諸表の監査を実施し、中立的な立場から監査意見を表明したり、その情報の信頼性を確保したりする業務を担っています。そのため、感情に左右されず、論理的に物事を捉えて解釈する、ロジカルな思考が求められます。物事を考える際は感覚的に捉えるのではなく、事実を基に筋道を立てて考えられるかどうかが、公認会計士の適性の有無を判断する一つの基準になるでしょう。

数字に対して抵抗力がない

 

公認会計士の試験は、法律の他に財務や会計、税など数字に関わる分野が主となります。計算問題も多く出題されるため、数字に苦手意識がなく、数学が好き・得意な方は公認会計士に向いているでしょう。

コミュニケーション能力に長けている

 

公認会計士は財務諸表の監査結果を基に、企業に対して意見やアドバイスを提供したり、指導を行ったりする役割を担っています。その際は企業側の担当者と頻繁にやり取りを行うため、コミュニケーション能力は必要不可欠です。人と接するのが好きな方や、自分の考えや意見をスムーズに伝えることが得意な方は、公認会計士の適性があるといえるでしょう。

高卒で公認会計士になるメリット・デメリット

高卒で公認会計士になると、メリットとデメリットの両面があります。

良い点だけでなくネックになる点も理解した上で、公認会計士をめざすかどうか検討しましょう。

メリット1:年収が上がる

 

公認会計士になるメリットの一つは年収アップです。厚生労働省が毎年実施している賃金構造基本統計調査によると、令和5年の公認会計士・税理士の所定内給与額(企業規模計10人以上)の平均は約468.1万円でした。

 

一方で主要産業に雇用される労働者について学歴別の賃金を調査した結果、高卒者の所定内給与額の平均は約281.9万円という結果が出ています(※2)。

 

実際の給与は事務所によって異なるため一概にはいえませんが、公認会計士になれば、他の職種よりも高い年収を得られる可能性が高いといえます。

メリット2:不況に強い

 

公認会計士が担う監査や税務にまつわる業務は、景気による悪影響を受けにくいです。不況の際は、助成金の活用支援や経営を立て直すための助言業務などが発生するなど、需要は一定数発生します。

 

そして公認会計士は難関とされる国家資格の一つであり、誰もが取得できるものではありません。これらの理由から公認会計士業界は不況にあっても売り手市場が継続する可能性が高いとされています。求職者主体で就職活動や転職活動を行える可能性が高いでしょう。

メリット3:社会的な信用を得られる

 

日本はまだまだ学歴社会の風潮が残っているため、高卒者が社会的な信用を得るために時間が掛かる場合もあります。しかし、難関とされる公認会計士の資格を取得していれば、社会的な信用を獲得しやすくなるでしょう。

デメリット:試験勉強で苦戦する可能性がある

 

前述の通り、高校では公認会計士試験の出題範囲を深掘りして勉強するわけではないため、法学部や経済学部卒の大卒者に比べると学習面で不利になる可能性があります。大卒者と同じスタートラインに立つためには、より多くの勉強時間を確保する必要があるため、忍耐力と根気が必要になるでしょう。

高卒で公認会計士に合格するためのポイント

最後に高卒で公認会計士に合格するために、押さえておきたいポイントを2つご紹介します。

学習スケジュールを立てる

 

公認会計士試験は例年、12月に第Ⅰ回短答式試験が、翌年5月に第Ⅱ回短答式試験が実施されます。短答式試験に関しては第Ⅰ回で不合格になっても第Ⅱ回の受験が可能です。短答式試験合格後は、8月に実施される論文式試験を受験し、見事パスしたら公認会計士の資格を取得できます(※)。

 

上記のスケジュールを基に、試験日から逆算して具体的な学習スケジュールを立て、出題範囲を網羅することが重要なポイントです。

 

なお公認会計士試験の勉強時間は、3,500時間が一つの目安とされています。これを一年間で達成しようとすると、毎週約67時間の勉強が必要となり、一日当たりの平均勉強時間は約9.5時間になってしまいます。学校に通いながら、あるいは働きながら毎日9時間以上の勉強時間を確保するのはあまり現実的ではないため、2年後に受験することを目標に勉強スケジュールを立てると良いでしょう。

専門学校への入学を検討する

 

公認会計士試験は独学で合格することも可能ですが、出題範囲が広いこと、試験の難易度が高いこと、膨大な勉強時間が必要になることなどから、あまり効率的な勉強法とはいえません。

 

公認会計士試験の受験資格に年齢制限はありませんが、取得までの年数が長くなるほど、その後に公認会計士として活躍できる期間が短くなります。特に高卒者は大卒者に比べてより多くの勉強を行う必要があるので、なるべく短期間で公認会計士になることをめざすのなら、公認会計士試験に対応している専門学校への入学も検討してみましょう。

 

専門学校ではその方に合った学習スケジュールの作成や、これまでの試験の傾向を基にした対策などが充実しているため、独学よりも効率的に勉強できるはずです。

高卒でも公認会計士になることは可能!

公認会計士試験の資格要件に学歴や年齢の制限はないため、高卒者でも公認会計士になることは可能です。高卒で公認会計士になると、年収が上がる可能性が高く、不況でも就活で有利になったり社会的な信用を得られたりするなど、複数のメリットがあります。

 

ただし例年試験の合格率は低く、資格取得するのは簡単なことではありません。特に高卒者は在学中に法律や財務のことを学んだ大卒者に比べると、学習面で一歩遅れたスタートとなるため、より効率的な勉強法で試験に臨む必要があります。効率良く勉強を進めるためには、具体的な学習スケジュールを立てるのはもちろん、専門学校への入学も検討した方が良いでしょう。

 

仙台大原簿記情報公務員専門学校では、めざすチャレンジ回数に応じて1年制~4年制の公認会計士をめざすコースを設けています。簿記を基礎から学べる公認会計士コースのほか、簿記経験者向けの入学後2ヵ月で日商簿記検定1級をめざし、最短ルートで公認会計士試験合格をめざす公認会計士チャレンジコースも用意しているため、自分の経験の有無に応じて適切なコースを選べるところも特徴です。

 

さらに在学中に短答式試験に合格した場合、論文式試験が不合格の場合は卒業後も最大2年間まで授業料免除で、論文式試験の合格をめざして学習できる独自の合格サポート制度も導入しています。高卒から公認会計士をめざしたい方は、ぜひ仙台大原簿記情報公務員専門学校への入学をご検討ください。

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【この記事を書いた人】

仙台大原簿記情報公務員専門学校

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仙台大原は全国46都市111校ある大原のグループネットワーク校です。初めて学ぶ分野でも基礎から安心して学べ、結果に結び付けられるカリキュラムや過去の出題傾向をもとに作成された独自の教材と授業スタイルが特長です。

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