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再進学(学び直し)
大学中退後、専門学校に進学するメリットとは?向いている人の特徴や奨学金制度について解説
大学中退後に専門学校へ進学する選択肢には、多くのメリットがある反面、いくつかのデメリットもあります。また専門学校に向いている人・向いていない人もいるので、大学中退後に専門学校への進学を検討する際は、自身の目的やニーズに適した進路であるかどうかを慎重に検討しましょう。
本記事では、大学中退後に専門学校へ進学するメリット・デメリットや、専門学校に向いている人・向いていない人の特徴、専門学校へ進学する際に使える奨学金制度や卒業後の進路などについて解説します。
目次
大学中退後、専門学校へ進学するメリット
まずは、大学中退後に専門学校へ進学することで期待できるメリットを紹介します。
就職活動に有利な専門知識・スキルを学べる
大学を中退した場合、最終学歴は高卒になってしまうため、就職活動で不利になってしまう恐れがあります。専門学校に入り直し卒業すれば、最終学歴は専門学校卒になる上、専門的な知識やスキルなどを習得して手に職を付ければ、就職活動で有利になります。
就活に有利な資格を取得できる
専門学校では、就職活動に有利な資格を取得できるコースが設けられています。取得できる資格の種類は選んだコースによって異なりますが、一例を挙げると公務員コースや公認会計士コース、税理士コースなどがあります。
また、Word・Excel検定やITパスポート試験、日商簿記検定など、実用性のある資格・検定の取得をめざすコースもあり、就職活動にはもちろん、採用後のキャリアアップにも役立てられるのはメリットです。
専門職への就職が可能になる
専門職の中には、特定の資格を取得することが必須となっている職種もあります。例えば、公認会計士や税理士などは資格試験に合格し、かつ一定の実務経験を積まないと正式な資格を取得できません。これらの試験対策に特化した専門学校に入学し、まずは試験の合格をめざせば、資格が不可欠な公認会計士や税理士などの職に就きやすくなります。
大学中退後、専門学校へ進学するデメリット
大学中退後に専門学校へ進学することには、メリットだけでなく注意点もあります。ここでは大学を中退してから専門学校へ通い直すデメリットを2つご紹介します。
学費が掛かる
大学を中退した場合でも、基本的に一度納めた学費が戻ってくることはありません。
その上、専門学校に入り直した場合、別途専門学校に通うための学費が掛かるため、費用の負担が大きくなりがちです。入学した専門学校によっては、中退した大学の年間の学費よりも割高になる場合もあるため、専門学校に入り直した際の学費の工面方法をあらかじめ決めておく必要があります。
大卒よりも学歴が落ちる
大学卒業は大学院卒業に次いで高い学歴となっており、専門学校卒はその下位に位置します。そのため、大学を中退して専門学校に入学した場合、大卒よりも最終学歴が落ちてしまうことに留意が必要です。ただ、既に大学を中退している人はその時点での最終学歴が高卒なので、専門学校に入り直せば学歴を上げられるでしょう。
大学中退後に専門学校へ進学するのに向いている人
大学中退後に専門学校へ進学することにはさまざまなメリットがありますが、専門学校への進学が全ての人に向いているわけではありません。もともと専門学校に向いていない人が入り直した場合、入学後に後悔することになりかねないので、あらかじめ自身に適性があるかどうかをじっくり考えてみましょう。
ここでは専門学校への進学に向いている人の特徴を紹介します。
学ぶ目的がはっきりしている
専門学校は幅広い知識を学べる大学とは異なり、特定の分野に特化したカリキュラムを組んでいるため、その分野に強い興味・関心を抱いていないと途中で挫折してしまいがちです。専門学校に進学して何を学びたいか、どのようなスキルを習得したいのかがはっきりしている人は、進学後もモチベーションを維持して学べるでしょう。
特定の資格・スキルの習得をめざしている
公務員などの試験の合格が必要な職種や公認会計士、税理士など特定の資格が必要な職種をめざしている人は、各々の試験対策に特化した専門学校に通うのがおすすめです。
これらの試験は難易度が高く、時間のある大学生でも独学で合格するのは難しいといわれているため、大学を卒業してから専門学校に入り直す人や、ダブルスクールしている人も珍しくありません。
ただし、大学卒業後の再進学やダブルスクールには、大学4年間の学費+専門学校の学費が掛かるため、トータルの費用が高額になります。大学3年生までに中退して専門学校に入った場合、大学1~3年分の学費+専門学校の学費となるため、上記のケースよりはコストを節約できるでしょう。
大学中退後に専門学校へ進学するのに向いていない人
以下のような特徴がある人は、大学中退後に専門学校へ進学するのに向いていない可能性があります。入学後に後悔しないよう、一度考え直してみた方がよいかもしれません。
やりたいことがはっきりしていない
特にやりたいことや目標がないまま、なんとなくで専門学校に入学するのはおすすめできません。前述の通り、専門学校のカリキュラムは特定の分野に特化しているため、その分野に興味・関心がない人や、はっきりした目標のない人はモチベーションが長続きせず、途中で挫折する可能性が高くなります。大学だけでなく専門学校も中退した場合、最終学歴は高卒となり、就職活動で不利になってしまう恐れがある点にも注意が必要です。
学費を工面するあてがない
親が専門学校の費用を出してくれる場合は問題ありませんが、そうでない場合はアルバイトなどをして学費を稼ぎながら専門学校に通わなければなりません。特に専門学校が1~2年の短期通学の場合、学習スケジュールが密になっているケースが多く、学業と仕事を両立するのは至難の業とされています。
アルバイトなどで疲れ果てて学業に集中できないというパターンも考えられるため、学費を工面するあてがないうちは専門学校への進学を考え直した方がよいでしょう。なお、学費に関しては奨学金制度を利用するという方法もあります。奨学金を利用すれば在学中は学業に専念できるため、必要に応じて利用の検討をおすすめします。
大学中退後、専門学校へ進学する際に使える奨学金制度と申請方法
大学中退後、専門学校へ進学するに当たって学費面で不安がある人は、奨学金制度の利用を検討してみましょう。専門学校への進学に利用できる奨学金は大きく分けて3つあります。
日本学生支援機構の奨学金制度
独立行政法人日本学生支援機構の奨学金制度には、進学前に申し込む予約採用と、進学後に申し込む在学採用の2種類があります。前者の場合は中退した大学ではなく、卒業した高校などを通じて申し込みを行い、後者の場合は進学した専門学校を通じて手続きします。
なお、日本学生支援機構の奨学金には、返済不要の給付型と、返済が必要な貸与型の2種類があります。貸与型はさらに無利子の第一種奨学金、有利子の第二種奨学金、第一種または第二種奨学金に加えて入学月の奨学金の月額を増額する有利子の入学時特別増額支援金など、複数の種類に分かれており、それぞれ給付要件が異なります。自身に適した奨学金の種類を見極めた上で申し込みを検討しましょう。
自治体の奨学金制度
自治体によっては、専門学校へ進学する人を対象とした奨学金制度を導入しているところもあります。奨学金制度の有無や、給付される奨学金の額・要件は自治体によって異なるので、お住まいの市町村役所などに問い合わせてみましょう。
専門学校の奨学金制度
専門学校によっては独自の奨学金制度を設けているところがあります。こちらも自治体の奨学金制度と同じく、学校ごとに奨学金の額や適用要件が異なるので、入学前に奨学金の有無や内容について問い合わせておきましょう。
大学中退後、専門学校へ進学した人の進路やその後
大学を中退して専門学校へ進学した人の卒業後の進路は、多岐にわたります。ここでは大学を中退して、専門学校へ進学した人の主な進路を3つ紹介します。
専門職に就く
専門学校で試験対策を行い、試験に合格した人は、その知識と資格を活かして専門職に就くケースが多く見られます。具体的には、国家公務員や地方公務員、公認会計士、税理士などです。国家公務員や地方公務員の場合、試験合格がそのまま採用に直結するパターンが多く、国や地方の機関でさまざまな業務を担当することになります。
一方、公認会計士や税理士の資格を取得するには、資格試験の合格だけでなく一定の実務経験が必要になるため、専門学校在学中に試験に合格し、卒業後は公認会計士事務所または税理士事務所などに就職して実務経験を積むケースが多くなっています。
民間企業に就職する
専門学校で取得した資格やスキルを活かし、民間企業に就職するパターンです。企業は即戦力になる人材を求めているため、在学中に実用的な知識やスキル、資格を取得していれば、好待遇で就職しやすいです。企業によっては特定の資格に対して手当を支給しているところもあるため、賃金アップを見込めるところも魅力の一つになります。
独立開業をめざす
専門学校を卒業した直後では難しいかもしれませんが、在学中に取得したスキルや資格を活かして独立開業をめざすというケースもあります。特に公認会計士や税理士などの国家資格を取得している場合、各々の事務所で実務を積んで正式な資格を取得した後、独立するパターンも多いようです。
会計士事務所や税理士事務所で働く場合に比べると安定した収入を得るまで時間が掛かるかもしれませんが、新規顧客の開拓などに成功すれば雇用されているときよりも高収入を得られる可能性があります。また、自身の事務所であれば社風や経営方針も自由に決められるため、よりやりがいを感じられるでしょう。
大学中退前に知っておくべきことや注意点
大学を中退する前に知っておくべきことと、注意したい点を3つ紹介します。
大学中退には親の同意が必須
大学を中退する際に学校へ提出する退学届には、保証人の署名・捺印が必要になります。通常は親が保証人になっているため、大学を中退するには親の同意を得て退学届に署名・捺印してもらわなければなりません。
「心配を掛けるから」といって無断で署名・捺印して退学届を提出すると、確認のために学校から親に連絡が入った場合、トラブルの原因となる可能性があります。大学中退後に専門学校への入り直しを検討しているのなら、なおさら親との関係は良好に保っておいた方がよいので、大学中退したい旨をしっかり伝え、同意を得ておきましょう。
学歴が下がるデメリットを理解しておく
前述の通り、大学を中退してから専門学校に入り直した場合、最終学歴は専門学校卒となります。学歴は上から順に、大学院、大学、専門学校・短大、高等学校、中学校となっているため、専門学校卒になると大卒よりも学歴が下がってしまいます。
もちろん、学歴よりも専門学校で学んだ知識やスキル、資格を重視する企業も多いですが、一方で大卒以上を求人条件に設定しているところも少なからず存在する状況です。その場合、大学を中退した時点で応募すら叶わなくなるため、希望する就職先が決まっている場合は、求人条件をよく確認してから中退するかどうか決めた方がよいでしょう。
やりたいことを明確にしておく
大学を中退して専門学校に進学した後のビジョンや、通学の目的を明確化しておきましょう。目的や目標があやふやなまま専門学校に進学すると、理想と現実のギャップを感じたり、途中で勉強に挫折して後悔したりすることになりかねません。
そのため、大学を中退するときは、なぜ専門学校に進学したいのか、大学に在学したままでは叶わないのかなど、じっくり考えてから決断を下しましょう。
大学を中退をして専門学校に進学する際は、目標や目的を明確にしよう
専門学校では専門的な知識やスキル、資格取得などをめざせるため、専門職に就きたい人や、就職を有利に運ばせたい人、キャリアアップをめざしたい人におすすすめの進路です。手に職を付けたい場合や、特定の専門職に就きたい場合は、大学を中退して専門学校に進むことを選択する人もいます。
ただし、専門学校に行くには学費の準備が必要な点と、大卒よりも学歴が落ちる点に注意する必要があります。また、目標や目的を定めないまま専門学校に進学すると、勉強に挫折してしまいがちです。大学を一度中退すると容易には後戻りできないので、自身のやりたいことや将来のビジョン、学費の工面方法などをしっかり考えた上で、専門学校への進学を決めましょう。
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大学を中退して専門学校への進学を検討している人は、ぜひ一度ホームページをご覧ください。
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