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経理の将来性はAIでどう変わる?仕事はなくなるのか徹底解説

「経理はAIに仕事を奪われる」という話を、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

会計ソフトの自動化が進むたびに、経理職を目指してよいのか不安になる方も多いはずです。

 

この記事では、経理の将来性をめぐる不安の正体を整理したうえで、AIが得意な業務と苦手な業務の違い、実際のデータ、AI時代に求められるスキルや資格取得ルートまでをまとめました。

経理の仕事は本当にAIに奪われるのか―不安の正体を整理する

結論から言うと、経理の仕事が丸ごとAIに置き換わる、という単純な話ではなさそうです。業務の一部が自動化され、経理という職業の中身が変化していく、という捉え方の方が実態に近いと考えられます。

 

経理とAIの将来性が語られる際、よく引用されるのが野村総合研究所が2015年に発表した推計(※)です。この調査では、日本の労働人口の約49%が、10〜20年後には技術的にAIやロボット等で代替可能になる可能性が高いとされました。比較対象となった米国は47%、英国は35%で、日本はやや高い水準です。

 

ここで注意したいのは、この推計が発表されたのは2015年、つまり約11年前だという点です。「10〜20年後」という射程で見ると、まさに今がその予測期間に入った時期にあたります。当時の技術水準をもとにした予測であり、その後のAI技術の進化も踏まえて、参考値として捉えるのが妥当でしょう。

 

数字だけを見ると不安になるかもしれませんが、この推計はあくまで「技術的に代替可能」というラインを示したものであり、実際に仕事が消えると断定したものではありません。

 

次の章では、経理業務のうちどの部分がAIに代替されやすいのかを具体的に見ていきます。

 

※出典:野村総合研究所 日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に

AIが代替しやすい業務・代替しにくい業務の違い(入力・仕訳作業 vs 判断・折衝業務)

伝票入力や仕訳といった定型的な作業は、AIによる自動化が進みやすい領域です。一方、数字の背景を読み取り、経営判断や折衝に生かす業務では、人による確認や状況に応じた判断が引き続き求められるでしょう。

 

先ほどの野村総合研究所の研究には、代替可能性が高い100種の職業と低い100種の職業を並べたリスト(※)が付属しています。高い方のリストには「経理事務員」「会計監査係員」「貸付係事務員」「保険事務員」「貿易事務員」といった、定型的な事務処理を中心とする職業が並んでいます。

 

一方、代替可能性が低い100種の職業(※)には、経営コンサルタントや中小企業診断士など、状況ごとに判断を下し、人と交渉・折衝を重ねる職業が名を連ねています。

この対比から見えてくるのは、AIが得意なのは「決まったルールに沿ってデータを処理する作業」であり、苦手なのは「状況を踏まえて判断し、人と調整する作業」だという傾向です。

 

経理の実務に置き換えると、請求書入力や仕訳の起票、月次集計といった作業は、会計ソフトやAI-OCRとの相性がよく、今後さらに自動化が進むでしょう。

一方、決算数値の異常の背景を調べて経営層に説明する、資金繰りについて助言する、税理士や他部門と調整するといった業務では、数字の意味を理解し、状況に応じて判断・説明する力が欠かせません。

 

つまり経理という職業がなくなるのではなく、入力作業をAIに任せられる分、AIやツールの処理結果を確認し、分析や説明に生かす役割へと変化していくと捉えるのが適切でしょう。

 

※出典:野村総合研究所 日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に

データで見る経理職の将来性(市場動向・求人動向)

経理職の将来性を数字で確認すると、単純な減少トレンドというより、業務の質的な変化と会計ツールの普及、人手需要が同時に進んでいる状況が見えてきます。

 

MM総研の調査(2026年3月末時点※)によると、個人事業主のクラウド会計ソフト利用率は38.4%で、前年(2025年3月末)の38.3%から0.1ポイントの増加にとどまりました。前年は33.7%から4.6ポイントと大きく伸びていたため、その反動で今回は伸びが一時的に鈍化した形ですが、調査開始以来クラウド会計ソフトの利用率は一貫して増加基調にあります。

この調査は個人事業主が対象であり、法人全体の数値ではありませんが、記帳や仕訳といった定型業務がクラウド上のツールに置き換わる動きが着実に進んでいることがうかがえます。

 

一方、厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」(※)によると、令和7年度の経理事務の有効求人倍率は全国で0.55です。

経理事務の求人は存在するものの、有効求人倍率は1倍を下回っており、幅広い職業選択を保証する数字ではありません。そのため、将来性を考える際は、求人の有無だけでなく、簿記・会計ソフト・数値分析など、担当できる業務の幅を広げることが重要です。

 

これらを総合すると、経理業務の「作業」の部分はツールで効率化が進む一方、その数字を扱い、活用できる人材への需要は簡単には消えない、という将来性の見え方が浮かび上がります。

経理の将来性は「なくなる・なくならない」の二択ではなく、求められる役割がシフトしていく過程として捉えるのが実態に近いと考えられます。

 

※出典:MM総研「クラウド会計ソフトの利用状況調査(2026年3月末)

※出典:厚生労働省「職業情報提供サイト job tag:経理事務

AI時代に求められる経理人材のスキル・資格(簿記・会計ソフト・分析力など)

 

結論として、AIが定型入力を担う場面が増えるほど、数字の意味を理解し、AIや会計ソフトの処理結果を適切に確認・説明できる力が求められるでしょう。

 

まず土台になるのが簿記の知識です。

 

会計ソフトが自動で仕訳の候補を提示してくれる時代でも、その仕訳が正しいか判断し、異常に気づける力は簿記の基礎を理解していなければ身につきません。あわせて、実務で使われる会計ソフトを操作できることも欠かせない条件です。入力作業自体はAIが担っても、設定や例外処理、他システムとの連携を扱えるかどうかで、任せられる業務の幅は大きく変わります。

 

さらに重要度を増しているのが、数字を読み解いて人に説明する分析力とコミュニケーション力です。AIが出した数値をそのまま鵜呑みにせず、その背景にある要因を考え、経営層や取引先にわかりやすく伝える役割は、今後も人が担う部分として残るでしょう。

 

資格の面では、商工会議所検定試験(日商簿記など)が代表的な指標として挙げられます。

この試験は商工会議所法に基づく公的な検定(※)であり、企業からの評価・信頼も高く、昇進・昇格の条件や資格手当の対象に設定している企業もあります。資格そのものが仕事を保証するわけではありませんが、数字を扱う基礎力を客観的に示す手段として、引き続き意味を持ち続けると考えられます。

 

※出典:日本商工会議所「検定試験のご案内

経理を目指すなら今からできること(学び方・資格取得ルート)

将来性への不安を感じて足を止めるより、資格取得と実務に近い学びで土台を作っておくことが、AI時代を見据えた現実的な一歩ではないでしょうか。

 

具体的な学び方としては、まず日商簿記3級・2級といった基礎資格の取得から始めるルートが王道です。

簿記の知識は、AIが自動化した処理の裏側で何が起きているかを理解するための共通言語のような役割を果たします。そのうえで実際の会計ソフトに触れる機会を増やし、入力から集計、決算処理までの流れを体験しておくと、就職後のギャップを小さくできるでしょう。

 

高校生・専門学校進学を検討している方であれば、簿記・会計を専門的に学べる学校で、資格取得と実務演習を並行して進める環境を選ぶという選択肢があります。

すでに社会人でキャリアチェンジやスキルアップを考えている方も、働きながら通学講座や通信講座などを利用して学び直す方法もあります。受講形式や期間は講座によって異なるため、生活や仕事と両立できるかを確認して選びましょう。

 

仙台大原簿記情報公務員専門学校では、簿記・会計分野の資格取得を目指す授業・サポートに加え、会計ソフトを使った実習がカリキュラムに含まれています。簿記の基礎と会計ソフトの操作をあわせて学びたい方にとって、進学先の選択肢の一つになるでしょう。

 

資格取得サポートや学校生活の雰囲気は、パンフレットだけではつかみにくい部分も多いため、オープンキャンパスなどで直接相談してみるのも一つの方法です。

経理の将来性とAIについてよくある質問

経理の仕事はAIによってなくなりますか?

 

仕事自体が完全になくなる可能性は低いと考えられますが、業務内容は今後も変化し続けるでしょう。

伝票入力や仕訳といった定型作業はAIによる自動化が進む一方、数字の背景を読み取り、経営層や取引先に説明する判断業務は、引き続き人が担う部分として残ると見られます。

 AI時代でも経理の資格は役に立ちますか?

 

役立つと考えられます。日商簿記などの資格は、AIが処理した数字の意味を理解し、検証・活用するための基礎力を客観的に示す手段になります。

企業によっては、昇進・昇格の条件や資格手当の対象としているケースもあります。

未経験・社会人からでも経理職への転職やキャリアチェンジは可能ですか?

 

可能性は十分にあると考えられますが、簿記の基礎知識を先に身につけておくことが近道になりやすいでしょう。

さらに、会計ソフトの操作や実務の流れを学ぶことで、未経験から経理職を目指すための準備を進められるでしょう。

経理を目指すなら、どんなスキルを優先して身につけるべきですか?

 

まずは簿記の基礎知識と会計ソフトの操作経験を優先するとよいでしょう。

そのうえで、数字の意味を人にわかりやすく説明する力を意識して磨いていくと、AI時代の経理職としての将来性を高めやすくなります。

経理の将来性は「なくなる」ではなく「変わる」

経理の将来性は、AIによって仕事が一方的に奪われるという単純な話ではなく、業務の中身が入力作業から判断・分析寄りへとシフトしていく変化として捉えるのが適切です。野村総合研究所の推計では、「経理事務員」が代替可能性の高い100職種に含まれていますが、定型的な入力・仕訳作業はAIに置き換わりやすい一方、判断や折衝を伴う業務は人に残りやすい傾向があります。クラウド会計ソフトの普及率上昇や求人動向を見ても、経理という仕事への需要が急速に消えているわけではなさそうです。

 

だからこそ、AI時代に求められるのは、簿記の基礎知識と会計ソフトの操作経験、数字を人に伝える分析力を兼ね備えた経理人材ではないでしょうか。不安を抱えたまま立ち止まるより、資格取得と実務に近い学びを一歩ずつ積み重ねていくことが、経理としての将来の選択肢を広げるポイントになります。

オープンキャンパスで疑問や不安を解決しよう!

経理の将来性やAIとの付き合い方について、もっと具体的に知りたい方は、仙台大原簿記情報公務員専門学校のオープンキャンパスに参加してみませんか。

 

資格取得までの学び方や会計ソフトの実習の様子などについて相談できます。詳細・お申し込みはこちらから。

仙台大原のオープンキャンパス

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【この記事を書いた人】

仙台大原簿記情報公務員専門学校

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仙台大原は全国46都市119校ある大原のグループネットワーク校です。初めて学ぶ分野でも基礎から安心して学べ、結果に結び付けられるカリキュラムや過去の出題傾向をもとに作成された独自の教材と授業スタイルが特長です。

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