コラム

市役所職員になるには?気になる仕事内容、試験内容、メリットについてご紹介


公開日:2023/12/100更新日:2024/3/6

「市役所職員になりたいけれど、どうすればなれるんだろう?」

 

このように悩む人はいませんか?

 

「市役所職員」は、市役所に勤務する地方公務員の一種で、地方公務員の中でも「市区町村職員」に分類されます。

 

そして、市役所内にあるさまざまな部署に所属しながら、地域の各種サービスを管理・運営し、住民が安全かつ快適に暮らせるようサポートするのが市役所職員の主な仕事です。

 

本記事では、市役所職員の具体的な仕事内容や、市役所職員になるための方法、そして市役所職員になるメリットについて解説していきます。

   

 市役所職員はどんな仕事をする?

市役所職員は、日々どのような業務に携わっているのでしょうか?仕事内容は多岐に渡りますが、市役所業務は次の2つに大きく分けられます。

 

・事務系職種

・技術系職種

 

それぞれについて、詳しく解説していきましょう。

 

事務系職種

市役所職員として、はじめに思いつくのが事務系職種の業務でしょう。ですが、一言に「事務系」といっても「市民課」「スポーツ振興課」「まちづくり課」などさまざまな部署があり、それぞれで各種手続きや行政サービスを担当しています。

 

例えば、私たち一般市民が最も関わりを持つであろう市民課の窓口業務では、住民票や戸籍謄本の発行、出生届や婚姻届の受理、転入届や転出届の受理、住民基本台帳(マイナンバー)登録などを行っています。

 

これらの業務はすべて、正しく手続きがされなければ市民の日常生活に多大な影響を与えてしまうため、丁寧な作業が求められます。

 

また、事務系職種にあたる市役所職員は、あらゆる方面から寄せられる市民の声への対応を求められることもしばしばです。もちろん、市民の声に耳を傾けることも必要です。しかし、行政としての公平性を保ち、そのうえで市民に安心感や納得感を与えられるよう着地点を見出すのも市役所職員の重要な役割のひとつです。

 

こうした業務を行うためには、ただ与えられた業務をこなすだけでなく、広い視野と高いスキルが求められるといえるでしょう。

 

技術系職種

技術系職種の職員として市役所に採用された場合には、一般的には市道や公園といったインフラ関連の維持・管理が仕事の中心になります。

 

例えば、「道路が陥没している」と市民の方から連絡が入れば、直ちに現場に赴き、必要な工事を見極め、業者に依頼するための書類の作成・手続きを行います。そして、依頼後は定期的に工事現場に赴き、工程が順調に進んでいるか確認もします。

 

建築職の場合は、市の保有する建築物の耐震工事の際に設計を行ったり、住民が家を建てる際に建築基準法に定める基準に違反していないかどうかを確認したりするなどの業務を行います。

 

他には、機械分野や電気分野、化学分野など、特定の高度な知識を持った専門職も存在します。

 

こうした職員は事務系職種の職員とは異なり、直接的に市民と関わりをもつ機会は少ないものの、市民の安心かつ便利な暮らしの維持に欠かせないポジションといえます。そして、機械や土木、建築、化学分野が好きな人にとっては、自分の得意分野を仕事にできるという点で、非常に魅力のある職業となるでしょう。

 

 市役所職員になるには地方公務員試験に合格する必要がある

市役所職員になるためには、各自治体が実施している地方公務員試験に合格する必要があります。ここでは、試験の日程や試験内容、難易度、受験資格などについて解説していきましょう。

 

市役所職員の採用試験の日程

市役所職員の採用試験は、おおむね次のような日程で実施されることが多いです。


ただし、これらの日程は変更になることも多く、各自治体によって微妙に異なっている場合もあります

 

また、同じ都道府県下でも市によって別の日に試験が実施されることもしばしばなので、希望する市役所、特に受験する分野の試験日程は必ず調べるようにしましょう

 

試験内容

試験内容は、受験する自治体や職種によって異なりますが、「筆記試験」「小論文」「個人面接」「グループディスカッション」などが実施される場合が多いです。

   

まず、筆記試験は教養試験と専門試験の2種類が実施され、教養試験は高校までに学んできた各教科や社会事情など、専門試験では大学で学ぶ法律や経済などが出題されます。これに加え、小論文作成や適性試験が実施されることも多いです。

 

ここまでは、これまでもよく行われてきた試験内容ですが、近年では知識だけでなく、その人の人柄を重視する自治体も増えてきました。特に、面接やグループディスカッションを取り入れることで、コミュニケーション能力や協調性、積極性、その場で臨機応変に対応する力を測ろうというのが狙いです。

 

自分の受験する自治体がどのような試験内容なのか、募集要項や過去問などをよく確認し、対策するようにしましょう。

 

専門職の場合は、これら基本の試験科目に加えて、各分野の専門試験も実施されるため、合わせて対策するようにしてください。

 

ちなみに仙台市職員の採用試験概要は下記のとおりです。

 

[仙台市職員 大卒程度 事務 ※令和5年度]

     


[仙台市職員 高卒程度 事務 ※令和5年度]

 

参考:

仙台市職員採用試験情報 |宮城県仙台市


試験の難易度や受験資格

難易度も各自治体やめざす職種によっても差がありますが、難易度はわりと高めで、決して容易な試験とはいえません。

 

特に、比較的募集人数が少ないとされている技術職は倍率が5倍以上になることもしばしばで、かなりの激戦になることは把握しておきましょう。

 

ですが、その分受験資格のハードルはかなり低めに設定されています。

 

市役所職員を採用する地方公務員試験は、おおむね「第1種(上級)」「第2種(中級)」「第3種(初級)」に試験区分が分かれており、第1種は大学卒業程度、第2種は短大卒業程度、第3種は高校卒業程度の学力が求められます。

 

しかし、これはあくまで求められる学力の目安を示すもので、必ずしも該当の学歴が必要になるわけではありません

 

ですので、年齢制限やその他の条件さえクリアすれば、誰にでも受験・合格のチャンスはあるということになります。

 

ただし、特定の専門分野を扱う技術職は、受験資格に専門分野の学部や学科の卒業証明が求められるケースもあるので、よく確認するようにしましょう。


▲上記より令和4年度に実施された公務員試験結果を仙台大原が独自にまとめたものをダウンロードすることが可能です(令和5年度版は改めて更新予定)。

 

 市役所職員になるメリット

市役所職員と一言にいってもさまざまで、大きく分けると窓口にて各種手続きや証明書発行を担当する「事務系職種」と地域のインフラ管理・維持を担当する「技術職職種」の2種類があります。

 

両者共に担当する分野や業務は異なりますが、市民の生活や安全を守るためには欠かせない存在といえます。

 

では、晴れて試験に合格し、市役所職員として働くことになったら、どのようなメリットがあるのでしょうか?下記の3点について解説します。

 

・安定した給料体系

・ワークライフバランスが維持しやすい

・充実した福利厚生

 

安定した給与体系

市役所職員として働くメリットの1つ目は、給与体系が安定していることです。

 

民間企業の場合だと、経済の変動や業績によって収入が左右されてしまいますが、市役所職員の給与は勤続年数や勤務地によって定められています。ゆえに、景気などの影響はあまり受けず、毎月一定の給与が得られる場合が多いです。

 

また、市役所職員は法律で定められた、通勤、住宅、扶養、残業などの手当てが充実していることに加え、ボーナスや退職金も多い傾向にあります。

 

もちろん、民間企業の中にも市役所職員以上の年収が得られる企業は存在しますが、各種手当なども充実している公務員の給与体系は非常に安定しているといえるでしょう。

 

ワークライフバランスが維持しやすい

メリットの2つ目は、ワークライフバランスが維持しやすいことです。

 

市役所職員の勤務時間は、特別な職種を除いて原則として7時間45分と定められており、土日祝日は休みの場合が多いです。仮に、休日にイベントや地域住民向けの窓口を開いた場合でも、部署によっては休日出勤扱いとなって振替の休日や休日出勤手当などがつくケースがほとんどです。

 

ゆえに、休日と勤務日の切り替えがしやすく、ワークライフバランスの維持がしやすくなっています

 

また、上記のような通常の休日と合わせて長期休暇も比較的取りやすい傾向にあり、仕事とプライベートの両立がしやすいのもメリットといえるでしょう。

 

充実した福利厚生

3つ目のメリットは、福利厚生がとても充実していることです。

 

一般的に、市役所職員をはじめとした公務員には、以下のような手当が用意されています。

 

・期末・勤勉手当

・住宅手当

・超過勤務手当

・地域手当

・扶養手当

・通勤手当

・退職手当

・単身赴任手当

・広域異動手当

・児童手当

・宿日直手当

・管理職手当

・特殊勤務手当

 

ここまで手厚い手当が利用できるのは、その地位が法律で保障されている市役所職員の最大のメリットといえるかもしれません。

 

また、出産・育児に関する休暇が取りやすいことに加え、職場復帰しやすい環境が整えられていることも多いのが特徴です。このことから、長く働き続けたい女性にとっては、かなりおすすめできる職業といっても良いでしょう。

 

 より効果的な公務員試験対策を行うなら

市役所職員は、長く安定して働き続けたい人、特に出産・育児を経てもライフワークとして仕事をし続けたい人には、とても適した職業といえます。

 

ですが、市役所職員になるための地方公務員試験は難度も高く、試験範囲も広いため、一人で対策するのはかなり難しいのが現状です。

 

そんな方には、仙台大原簿記情報公務員専門学校の公務員試験対策が有効です。

 

仙台大原簿記情報公務員専門学校の「県庁・市区町村職員コース」では、高卒程度(初級)の合格をめざして、「国家公務員(大卒)・地方公務員(上級)コース」では、大卒程度(上級)の合格をめざして、各種筆記試験対策が可能です。

 

また、近年増えている面接やグループディスカッションにも対応できるよう、面接対策も充実しているので、より確実に合格をめざしたい人にぴったりです。

 



 まとめ

今回は、市役所職員の具体的な仕事内容と、市役所職員のなり方、そして市役所職員になるメリットについて解説しました。

 

市役所は、市民が安全に生活するための行政サービスを一手に引き受けているため、そこで勤務する市役所職員には高い専門スキルだけでなく、広い視野やコミュニケーション能力、協調性が求められます。

 

決して楽な仕事とはいえませんが、その分社会的信用もあり、収入も安定している傾向が強いです。しかも、公務員である市役所職員は勤務時間がしっかりと決められており、なおかつ残業も少なめなので、仕事とプライベートのメリハリをしっかりとつけたい人にはとてもおすすめです。

 

ただし、市役所職員になるための地方公務員試験は難度も高く、職種によっては倍率も非常に高くなります。ですが、試験の傾向を掴み、しっかりと対策をすれば市役所職員になれる可能性は十分にあります

 

「市役所職員として働きたい」と考える人は、ぜひこの記事を参考にして、進路を決める第一歩を踏み出してください。

     


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この記事の監修者
仙台大原簿記情報公務員専門学校

仙台駅から徒歩5分/6系統32コース設置
仙台大原は全国46都市107校ある大原のグループネットワーク校です。初めて学ぶ分野でも基礎から安心して学べ、結果に結び付けられるカリキュラムや過去の出題傾向をもとに作成された独自の教材と授業スタイルが特長です。