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税理士 公認会計士

働きながら税理士をめざすのは無理?合格に必要なポイントや勉強スケジュールを解説

税務の専門家である税理士になるためには、難関試験とされる税理士試験に合格しなければなりません。しかし、社会人の場合、仕事と勉強を両立させなければならないことを考えると、「働きながら税理士になるなんて無理」という人もいるでしょう。

 

ただ、税理士試験の合格者の中には、働きながらコツコツ試験勉強をした人もいます。社会人として働いている人が、仕事を続けながら税理士試験の合格をめざすことは現実的に可能です。

 

本記事では、働きながら税理士試験に合格するポイントや、税理士試験の合格者における社会人の割合、仕事と試験対策を両立するための事務所選びのポイント、効率的な勉強スケジュールの組み方を紹介します。

働きながら税理士試験を合格するために必要なポイント

税理士試験は、令和5年度の合格率が21.7%と難易度の高い国家試験の一つです(※)。ほとんどの人が専門学校に入学し、数年間の時間を掛けて試験対策に取り組んでいます

 

しかし税理士の中には、働きながら税理士試験に合格し、夢を叶えた人もいます。働きながら税理士をめざすのは、決して無理なことではありません。むしろ、税理士試験に向けて仕事を辞める必要がないため、経済面での不安感といった心理的なストレスが少ない状態で、試験勉強に集中できるというメリットもあります。

 

とはいえ、仕事と試験勉強の両立は大変です。税理士試験の合格率は、出題内容にかかわらず毎年ほぼ一定のため、試験対策一本に絞って準備してきた受験生と点数を競い合わなければなりません。

 

社会人として仕事をしながら税理士試験に合格したい人は、以下の3つのポイントを意識し、限られた時間を有効に活用しましょう。

 

  • 一度に受験せず、1年1科目を目安に試験対策をする
  • 通勤中などのスキマ時間を有効活用する
  • 税理士試験に強い専門学校やスクールを利用する

一度に受験せず、1年1科目を目安に試験対策をする

 

税理士試験は、会計学に属する2科目と、税法に属する3科目の計5科目に分かれています。1科目ずつ受験することも可能なため、社会人の人は5科目まんべんなく受験するよりも、1年1科目を目安として受験することが一般的です。

 

1年1科目に範囲を絞れば、仕事との両立が必要な社会人であっても、短期集中で密度の濃い試験勉強が可能になります。

通勤中などのスキマ時間を有効活用する

 

社会人の人はどうしても勉強時間が限られるため、通勤時間や昼休みなどのスキマ時間を有効活用しましょう。最近は持ち運ぶ必要のない、スマートフォンやタブレット向けのテキストも増えてきました。

 

スキマ時間でテキストを読んだり、暗記したりして、コツコツ試験対策を積み重ねましょう。

税理士試験に強い専門学校やスクールを利用する

 

働きながら税理士をめざす人の場合、限られた時間を有効活用し、タイムパフォーマンスの高い試験勉強を行う必要があります。特に独学や通信講座によって試験対策をする場合は、ついついプライベートに時間を使いすぎてしまわないよう、厳しい自己管理も必要です。

 

自分一人で税理士試験に合格できる自信がない、試験対策についてプロに相談したい、という場合は専門学校やスクールを利用しましょう。初心者向けや簿記経験者向けのコースなど、現在の学習レベルに合ったコースを選んで効率的に学べます。科目別授業も用意されているため、苦手科目の克服にも役立ちます。

働きながら税理士をめざせる事務所の選び方

働きながら税理士をめざす場合、在籍する事務所(会計事務所)選びも大切です。税理士試験に理解のある職場なら、業務量を調整してくれたり、試験直前は休みにしてくれたりと、さまざまな融通が利きます。

 

仕事と試験勉強を両立できる事務所の特徴は以下のとおりです。

 

  • 資格取得をサポートする制度がある
  • 残業時間が少なく、業務量を調整できる
  • 在宅勤務やリモートワークに対応している
  • 税理士や科目合格者が在籍している

 

近年は会計事務所だけでなく、税理士の資格取得を積極的にサポートする一般企業も増えてきました。現在の職場では勉強時間の確保が難しい、という人は他業種の転職も視野に入れ、試験対策に集中できる環境を整えましょう。

資格取得をサポートする制度がある

 

1つ目のポイントは、資格取得をサポートする制度があるかどうかです。

 

最近は税理士試験の勉強会を開催したり、試験前の休暇制度を用意していたりと、資格取得を支援する会計事務所や税理士法人が増えてきました。税理士試験に合格すれば、そのまま税理士としてステップアップが可能な事務所も存在しています。働きながら合格をめざす人は、まず税理士試験に理解のある事務所を選ぶことが大切です。

残業時間が少なく、業務量を調整できる

 

2つ目のポイントは、残業時間が比較的少なく、業務量を調整できるかどうかです。

 

働きながら税理士をめざす人にとって問題となるのが、どうやって勉強時間を確保し、仕事と両立するかという点です。そうした勉強時間の問題は、残業時間の融通がある程度利き、業務量の調整が可能な事務所を選ぶことで解決できます。

在宅勤務やリモートワークに対応している

 

3つ目のポイントは、在宅勤務やリモートワークに対応しているかどうかです。

 

コロナ禍をきっかけとして、在宅勤務やリモートワークを導入する会計事務所や税理士法人が増加しました。在宅勤務やリモートワークの制度がある事務所なら、通勤時間が発生しないため、勉強時間をより確保しやすくなります。

 

週に2~3日のみ在宅勤務やリモートワークで働くだけでも、勉強時間に大きな差が生まれるため、事務所選びの際にチェックしましょう。

税理士や科目合格者が在籍している

 

4つ目のポイントは、税理士や科目合格者が在籍しているかどうかです。

 

税理士試験の経験者が周囲にいれば、試験対策について相談したり、アドバイスを受けたりできます。税理士として活躍する姿を間近で見られるため、試験勉強のモチベーション維持にも役立ちます。

 

また科目合格者が在籍しているということは、仕事と試験勉強を両立できているという証拠です。現時点で科目合格者が在籍していなくても、面接などを受ける際に、過去に科目合格者が在籍していたか、その後税理士試験に合格できたかなどを質問してみましょう。

働きながら税理士試験をめざす人の割合と合格率

働きながら税理士試験をめざす人は、実際にはどのくらいいるのでしょうか。国税庁によると、令和5年度税理士試験の結果(学歴別・年齢別)は以下の表のとおりです(※)。

区分

受験者数

合格者数(合計)

合格率

学歴別

大学卒

2万3,765人

5,024人

21.1%

大学在学中

2,188人

667人

30.5%

短大・旧専卒

700人

95人

13.6%

専門学校卒

2,786人

456人

16.4%

高校・旧中卒

2,778人

662人

23.8%

その他

676人

221人

32.7%

年齢別

41歳以上

1万1,362人

1,488人

13.1%

36~40歳

4,619人

962人

20.8%

31~35歳

4,973人

1,168人

23.5%

26~30歳

4,916人

1,332人

27.1%

21~25歳

5,695人

1,694人

29.7%

20歳以下

1,328人

481人

36.2%

合計

3万2,893人

7,125人

21.7%

上記の表は、令和5年度の学歴別税理士試験結果ですが、社会人として働いているか、試験勉強に専念しているかを区別したデータではありませんが、大学在学中の受験生は少なく、ほとんどが大卒や第2新卒の経歴を持つ人であることが分かります。高卒や専門学校卒の受験生も一定数おり、いずれも大学在学中に税理士試験を受ける人の人数を上回っています。

 

また受験者数を年齢別に見ると、最も多いのが大学や専門学校を卒業してから時間が経過した、41歳以上の人(1万1,362人)です。税理士試験は難易度が高く、合格までの年数が長いという側面もありますが、令和5年度の合格者は1,488人おり、年齢を重ねた人でも税理士になるのが決して無理ではないということを示しています。

税理士をめざせる年齢

税理士をめざせる年齢に制限はあるのでしょうか。国税庁のホームページによると、税理士試験の受験資格には国籍や年齢の制限は設けられていません。先ほどの令和5年度税理士試験の結果を見ても、41歳以上の人の13.1%(1,488人)が合格し、税理士になっています。

 

税理士試験の受験資格は、令和4年の税制改正によって緩和され、以前よりも多くの人が受験できるようになりました(※)。例えば、会計学に属する2科目(簿記論・財務諸表論)は受験資格の制限が撤廃されたため、どなたでも受験することが可能です

 

また税法に属する3科目(所得税法または法人税法のいずれかと、選択制の2科目)も、受験資格が緩和されており、学識・資格・職歴・認定のいずれか一つの区分を満たせば受験できます。

 

このように受験資格が緩和されたことも、働きながら税理士をめざす人にとって大きな後押しとなっています。

 

仙台大原簿記情報公務員専門学校で税理士をめざす場合、仕事を辞めて通学するケースが多いですが、毎年全国トップレベルの合格実績を誇っており、その後押しとなっているのが税理士・公認会計士合格サポート制度です。

 

税理士合格サポート制度では、在学中に3科目以上に合格した人を対象として、次の税理士試験までの授業料を免除し、試験対策に集中できる環境をご用意しています

税理士試験の合格に必要な勉強時間

税理士試験の合格に必要な勉強時間は、およそ4,000時間 といわれています。必要な勉強時間には個人差があるため、一つの目安として捉えてください。例えば金融・簿記の知識を持っている場合、4,000時間よりも少ない勉強時間で合格するケースもありますし、まったくの初心者の場合は合格まで6,000時間以上かかるケースもあります。

 

また勉強時間の目安を科目別に見ると、以下の表のとおりです。

科目

勉強時間の目安

会計学に属する科目

簿記論

400~500時間

財務諸表論

400~500時間

税法に属する科目(いずれか必須)

所得税法

600~700時間

法人税法

600~700時間

税法に属する科目(2科目選択)

相続税法

400~500時間

消費税法

300時間

酒税法

150~200時間

国税徴収法

150時間

住民税

200時間

事業税

200時間

固定資産税

250時間

社会人の場合、働きながら4,000時間もの勉強時間を確保するのは難しいと感じるかもしれません。しかし、1年1科目にターゲットを絞って、コツコツ勉強を積み重ねていけば、仕事と試験勉強の両立は決して不可能ではありません。しっかりと勉強スケジュールを立てて、自分のペースで試験対策に取り組みましょう。

働きながら勉強するスケジュールの組み方

働きながら税理士試験に合格するカギは、勉強スケジュールの組み方にあります。勉強スケジュールを組み立てるポイントは、まず年間スケジュールから考え、順を追って1カ月や1週間の勉強時間、1日の時間配分を決めていくことです。

 

  1. まずは年間スケジュールから決める
  2. 1ヵ月や1週間の勉強時間の目標を決める
  3. 1日の時間配分を考える

 

税理士試験は毎年8月に実施されます。例えば、令和6年度(第74回)の試験日程は以下のとおりです。

月日

時間

科目

8月6日(火)

9時~11時

簿記論

12時30分~14時30分

財務諸表論

15時30分~17時30分

消費税法または酒税法

8月7日(水)

9時~11時

法人税法

12時~14時

相続税法

15時~17時

所得税法

8月8日(木)

9時~11時

国税徴収法

12時~14時

固定資産税

15時~17時

住民税または事業税

試験の数ヵ月前には出題範囲の勉強が一通り終わり、残りの時間で問題演習や苦手克服などの試験対策に集中できるよう、先に年間スケジュールを決めましょう。その後、仕事のスケジュールと相談しながら、1ヵ月・1週間ごとに履修する範囲や、そのために必要な1日の勉強時間を決めていくと、無駄のないスケジュールを立てられます。

効率的に勉強できる自分に合った方法を選択する

社会人でも、しっかりと勉強時間を確保し効率的に勉強できれば、働きながら税理士試験に合格することは無理ではありません。ただ、仕事と勉強を両立させるためには、税理士試験に理解のある事務所選びや、勉強スケジュールの作成、試験対策に強い専門学校・スクールの利用がポイントとなってきます。

 

仙台大原簿記情報公務員専門学校では、仕事を辞めて、改めて税理士をめざすための学び直しの場としての環境を整えております。

税理士・会計士系のコースは、受験経験者向けで9月入学できる1年制から、2年制~4年制までと在学年数が幅広く、自分のペースで試験対策に取り組むことが可能です。

 

「税理士・公認会計士試験コース」の詳細は下記よりチェック。

▲税理士・公認会計士の仕事内容、試験の種類や勉強のコツを詳しく知るなら税理士・公認会計士職業ガイダンスへ

▲学び直しを検討する方向けのイベントもあり♪

【この記事を書いた人】

仙台大原簿記情報公務員専門学校

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仙台大原は全国46都市111校ある大原のグループネットワーク校です。初めて学ぶ分野でも基礎から安心して学べ、結果に結び付けられるカリキュラムや過去の出題傾向をもとに作成された独自の教材と授業スタイルが特長です。

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