コラム
COLUMN
公務員 なるには
公務員になるには?基本情報とメリット・デメリットを解説
安定的な収入や安定的な雇用、そして福利厚生が充実していることから、今でも公務員は人気の高い職業です。ですが、公務員とはどのような職業なのか、どうすれば公務員になれるのかについては、あまり詳しくわからないですよね。
この記事では、公務員の基本情報と、公務員になるまでの流れ、そして公務員になるメリットとデメリットについて深掘りしていきます。あわせて、最近の公務員試験の傾向から見た対策についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
そもそも公務員って何?
公務員になるには、どうすれば良いのでしょうか?ここでは、公務員とは何か、その基本情報について解説していきます。
公務員とは
そもそも、公務員とは国や地方自治体に勤務し、社会の土台作りを仕事とする人を指します。
そして、一言に「公務員」といってもさまざまな職種があり、大きく分けると次の2つに分類することができます。
・国家公務員
・地方公務員
国家公務員
国家公務員とは、省庁をはじめとした国の機関で働く公務員のことです。
その仕事内容は多岐に渡りますが、省庁で政府の政策を考える人もいれば、国が保有する山や林の調査に行く人、皇居の警備を担う人、税務署、ハローワーク、裁判所、国会などで働く人などは、すべて国家公務員に該当します。
地方公務員
地方公務員とは、都道府県や市町村の地方自治体で働く職員のことです。
主な仕事は、地方に密着した業務が多く、自治体の治安・消防・交通・教育・文化事業など地域の生活にかかわる仕事を広範囲で行っています。例えば、市役所や県庁の職員や、公立学校の職員、図書館・福祉施設の職員、消防官、警察官なども地方公務員にあたります。
公務員試験に合格すれば公務員になれる
上記いずれの場合も、公務員として働くには「公務員試験」に合格する必要があります。
誰でも受けられるの?
基本的に、公務員試験には年齢の制限があります。
具体的な年齢制限は受験する職種によって異なるので一概には言えませんが、「高卒程度」の試験の上限は21歳、「大卒程度」の試験の多くは30歳までが受験資格の場合が多いです。
また、経験者採用であっても40歳未満を対象としていたり、反対に上限がない場合もあったりするため、自分が受験する試験の年齢制限がどれくらいに設定されているのかしっかりと確認しておきましょう。(ちなみに、一部の職種では国籍条件や、身体的基準、そして有資格者であることが求められます。)
加えて、学歴も基本的には不問で、誰でも受験することができます。ただ、求められる学力レベルは高いので、それなりの準備と勉強が必要です。
より詳しく説明すると、公務員試験の多くは「高卒程度」「短大・専門卒程度」「大卒程度」という試験区分があります。しかし、これらはあくまで試験の難易度を示すものであって、実際の学歴を必要とするものではありません。
つまり、「大卒程度」の試験でも「大学卒業」を必要条件としているわけではないため、他の受験資格や欠格事項違反(これに該当するものは受験することができないとされる規定)にあたらなければ、高卒の人でも受験することが可能です。
ただし、国家公務員の総合職(中央省庁の幹部候補として採用されるいわゆるキャリアで、裁判所や国会議員を含む)には「院卒者」を対象とした区分もあります。これらの試験は、大学院を修了した人もしくは修了予定者しか受験することができないため注意が必要です。
さらに、場合によっては身体要件や勤続年数を受験資格とする試験もあるため、自分が受験したい職種がどのような資格を必要としているのかしっかり確認することが必要です。
【注意】国家公務員は「最終合格=採用」ではない
ここで注意点ですが、国家公務員の採用試験は「最終試験合格=採用」ではありません。
少々驚くかもしれませんが、総合職や一般職では採用試験とは別に官庁訪問をして内定を得る必要があります。また、専門職試験でも公務員試験以外に採用面接が行われるケースが多いです。
実際に、最終合格しても官庁訪問の成績が悪く、内定が出ない人は一定数存在します。ですので、官庁訪問の面接対策が非常に重要となっています。
どんな内容なの?
地方公務員の市役所職員を例にすると、「高卒程度」の試験の一般的な事務系の内容は一次試験が「教養試験」、二次試験が「面接試験」などを行います。
中には、三次試験まで実施する市役所もあり、内容はさまざまです。
試験を受ける前に、試験内容はしっかり確認しておきましょう。
「高卒程度」の公務員になるまでの主なスケジュール
職種や自治体によって内容に違いはありますが、基本的な公務員になるまでの流れやスケジュールは次の通りです。
1.毎年5~6月にかけて、各自治体や団体の公式サイトで試験案内や日程などが公表される。
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2.6~7月頃から、受験申し込みの受付が開始。(申し込みは郵送とインターネットから選択可能。最近はインターネットでの申し込みが主流。)
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3.9月頃に一次試験(筆記試験)が実施される。
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4.一次試験から2週間〜1ヶ月程で結果が発表。合格者のみ二次試験に進む。
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5.二次試験は10月頃に集団面接や集団討論などが実施されるのが一般的。二次試験の結果は、2〜3週間ほどで決定する。
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6.二次試験合格者には個別面談で意思確認が行われ、最終的に11~12月頃に内定者が決まる。
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7.採用決定後、新卒採用者は翌年4月からの勤務開始となる。
公務員として働くメリット
では、晴れて公務員試験に合格し、公務員として働くことになったらどのようなメリットがあるのでしょうか?
解雇されるリスクが少ない
企業の場合だと、売り上げが低迷した場合はリストラや解雇などで職を失う可能性がありますが、公務員は普通に働いている限り解雇されるリスクはほぼゼロです。
当然、法律違反をした場合は処分によって解雇される場合もありますが、「この会社大丈夫かな…」と心配しながら働くこととはほぼ無縁です。
雇用の安定性は公務員ならではといえるでしょう。
安定した収入
多くの場合、公務員の給料は安定しているといわれています。
公務員の給与体系は、基本的に年功序列の体系をとっています。ですので、勤続年数が増えれば自動的に昇給します。
また、民間企業は景気や売上によってボーナスの支給額が大きく変動することがありますが、公務員は景気などの影響を受けないため、ボーナスも毎年支給されます。退職金の支給額も高い傾向が強いです。
このように、安定した給与体系、かつ今後支給される給料の見通しも立てやすいことから、将来設計(マイホーム購入やローンを組むなど)もしやすいのが公務員の魅力です。
ワークライフバランスを確保しやすい
公務員は、ワークライフバランスの維持がしやすいです。
公務員に与えられる休日は、一般的な民間企業よりも多い傾向にあります。大抵の場合、土日祝日は休みで、夏季休業や年末年始の休みもあります。ゆえに、「仕事もがんばりたいけれど、自分の時間もほしい!」と考える人には向いているといえるでしょう。
また、公務員は女性でも働きやすい環境が整えられていることが多いです。そのため、育児休業などが取りやすいのはもちろん、職場復帰もしやすいことから、家族との時間も大切にしたい人にはうってつけといえるかもしれません。
社会的な信用がある
公務員として働くうえで、最も大きなメリットといえるのが、社会的な信用があることです。
近年、働き方改革によってアルバイトやパート、フリーランスなどさまざまな働き方が受け入れられるようになりました。ですが、今でもクレジットカード発行の際や不動産を借りるときは、こうした職種は社会的信用が低いとして手続きができない場合があります。
その点、公務員はそのような心配はありません。職業を聞かれたときに「公務員です」と答えると、多くの場合は社会的信用が高いと判断されます。何しろ、公務員は国家、もしくは自治体にその身分を保障されており、前述したように解雇される心配も大変少ないです。
ですので、退職するまで一定の社会的信用が維持されるというのは、他にはない公務員の魅力といえるでしょう。
公務員として働くデメリット
メリットも多い公務員ですが、その反面でデメリットもあります。
実績が評価につながりにくい
先ほど、「公務員の給与体系は年功序列で安定している」とお伝えしましたが、それは同時にどんなに実績を上げてもそれが自身の給与に反映されにくいことを意味します。
つまり、職場への貢献度が高くても低くても、人事評価はほとんど変わらないのです。したがって、仕事ができる人は働き損のように感じ、モチベーションが下がるというデメリットがあります。
異動が多い部署もある
働く部署によっては異動が多いというのもデメリットのひとつです。
やはり、家族がいる人や同じ職場で定年まで働き続けたい人にとっては、異動が多い職場は苦痛に感じるでしょう。また、異動することはすなわち、これまでの仕事内容や人間関係もガラリと変わってしまうことになります。ゆえに、新しい環境に慣れるのに時間がかかる人にとってはストレスかもしれません。
しかも、異動するといっても地方公務員の場合は自治体の範囲内ですが、国家公務員は都道府県レベルや場合によって離島などに異動になる場合もあります。こうした突然の辞令に臨機応変に対応できない人にとっては、公務員の働き方はデメリットといえるでしょう。
クリエイティブ能力を発揮できる場面が少ない
公務員の仕事は、新しいものを生み出すクリエイティブ能力を発揮する場面が少ないです。
基本的に、公務員が行っている作業はすべて法令によって定められています。ですので、民間の企業では歓迎されるクリエイティブさや、前例のない革新的な発想力はむしろ仕事のやりにくさにつながります。
実際、公務員の仕事は手続きひとつとっても細かい規定があり、それに沿って作業を進めていく必要があります。ですので、中にはどうしてこの作業が行われているのかよくわかっていないものもあるのは事実です。
しかし、法律で決められている以上、それに沿って仕事をするしかありません。それに、公務員が働く現場は前例踏襲の気風が強く、昨年うまくいった方法を今年も行うことでミスをなくそうとする傾向があります。
もちろんこうした慣習にもメリットはありますが、組織としての業務改善意識が低いことに疑問を感じる人は、ストレスになるかもしれません。
公務員になるための試験対策と傾向
上記を踏まえたうえで、実際に公務員試験に無事合格するためには、どのような準備が必要なのでしょうか?
最近の公務員試験の傾向から、対策について見ていきましょう。
最近は人柄重視の傾向が強い
国家公務員においても地方公務員においても、近年の傾向を見ると従来の「学歴重視」よりも「人柄重視」の採用が増えている傾向にあります。
特に、面接試験や集団討論、小論文といったその場の対応力や人間力を見る場面が増えています。ゆえに、どんなに筆記試験の点数が良くても、不合格となる可能性があるので、注意が必要です。
そして、近年の傾向として面接の様式も様変わりしています。これまでは、基本的に1人もしくは複数人の面接官に対して1人の受験生を見るケースが多かったです。
しかし、最近は一度に複数の受験生を面接することで、自分以外の受験生が話しているときの立ち居振る舞いを見たり、ディスカッションでのその場の対応力を見たりなど、学歴では補えないような人間力を試す場面が多くなりました。
もちろん、これまでのように知識や知能を見る筆記試験も大切ですが、どの分野も満遍なく網羅できるようなより高い能力が求められていると考えて良いでしょう。
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まとめ
今回は、公務員になるにはどうすれば良いのか、基本情報や公務員になるまでの流れ、メリット・デメリット、そして最近の試験の傾向と対策について解説しました。
公務員は、今でも非常に人気の高い職業です。倍率も高いことに加え、国家公務員ともなればさらに高い能力が求められることもあります。
決して簡単になれる職業ではありませんが、しっかりと対策をすれば試験合格も確実にめざせます。
「公務員になりたい!」と思う人は、ぜひこの記事を試験対策の参考にしてください。