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公務員 なるには
警察官になるには?試験内容や仕事について解説!専門学校からめざす方必見
日々、私たちが暮らす地域や国家の安全を守っている「警察官」。多くのドラマや映画、アニメなどでも題材となっているため、「自分も警察官になりたい!」と憧れを持つ方も多いでしょう。
ですが、一口に「警察官」と言っても種類があり、それによって採用の仕方にも違いがあるのをご存知ですか?
この記事では、警察官の仕事内容や種類、そしてどのような試験に合格すれば良いかなどについて詳しく解説していきます。あわせて、警察官になろうとする方がよく悩みがちな質問にも回答しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
【基本情報】警察官とはどんな仕事?
警察官は、犯罪捜査や交通違反の取り締まり、防犯指導、テロ対策、パトロールなどさまざまな形で人々を混乱や危険から守り、安全な社会を維持するために働く公務員です。
警察官の責務については、警察法で次のように規定されています。
警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締その他公共の安全と秩序の維持に当ることをもつてその責務とする。(警察法第2条第1項)
警察官には2種類ある
地域の安全を守るため日々任務を全うする警察官ですが、一口に「警察官」と言っても種類があり、大きく分けると次の2つに分けられます。それぞれについて詳しく解説していきましょう。
- 国家公務員の警察官
- 地方公務員の警察官
国家公務員の警察官
警察組織は、47都道府県に設置される「都道府県警察」とその中枢を担う「警察庁」によって構成されており、「警察庁」で働く警察官は国家公務員の警察官です。(いわゆる「キャリア警察官」と呼ばれています)。
これに加え、天皇皇后両陛下や皇族各殿下の護衛と皇居、御所、御用邸などの警備を専門に行う「皇居警察本部」も国家公務員として採用された警察官が勤務しています。
警察庁は、警察組織の中心であり、警察庁内に刑事局・生活安全局・交通局・警備局・サイバー警察局などの内部部局を持っています。
そこでは、全国の警察組織のあり方の企画・運営や、組織間の調整など行っていますが、あくまで警察庁の警察官は企画・調整業務に徹し、現場での実務を行うことはありません。
地方公務員の警察官
各都道府県が設置した警察署(東京都の警察本部は「警視庁」)で勤務する警察官は、都道府県が採用した地方公務員の警察官です。
主な業務は、地域で起きた犯罪や事件に対応して捜査・取り締まりなどを行うことで、警察庁の業務が企画・運営中心であったのに対し、都道府県警察官はいわゆる「現場」で実務を行います。
そして、全国の警察官のうち、9割以上が都道府県警察で働く地方公務員といわれています。
警察官になるには?〜国家公務員の場合〜
警察庁で働く警察官になるには、「国家公務員総合職試験」や「国家公務員一般職試験」に合格する必要があります。その後さらに、警察庁の採用試験を受けて採用されれば、警察庁勤務の警察官として働くことができます。
また、天皇陛下や皇族の警護を行う「皇宮護衛官」になるには、人事院が実施する「皇宮護衛官採用試験」に合格し、採用される必要があります。
特に、警察庁は人気の省庁であるため、上位の成績で国家公務員試験に合格しないと採用は厳しいとされています。実際、警察庁の総合職の採用者数は毎年10名程度といわれているため、狭き門を掻い潜った者だけが進めるエリートコースといえるでしょう。
警察官になるには?〜地方公務員の場合〜
都道府県警察の警察官になるには、各自治体が実施している警察官採用試験を受験し、合格する必要があります。
ここからは、希望者の多い都道府県の警察官採用試験と、試験合格後から採用されるまでの流れについて解説していきます(試験内容の詳細は自治体によって異なる場合があります)。
一次試験は筆記試験と適性検査
一次試験は主に筆記試験(教養試験、論作文試験)と身体検査、資格経歴などの評定、適性検査を行います。
- 筆記試験(教養試験、論作文試験)
:教養試験では、文章理解、判断推理、数的処理などの一般的な知識が問われることが多く、論作文試験では特定の課題に対して文章を作成し、文章の構成力や表現力などを確認する。
- 身体検査
:各自治体が定めた身長、体重などの基準を満たしているか検査する。
- 資格経歴などの評定
:柔道・剣道の段位や、スポーツ大会の出場歴、語学の資格などを自治体が独自に設けた基準で評価・加点する。
- 適性検査
:警察官として適性があるかを、マークシート方式などにより検査する。
二次試験は面接に加え身体・体力・適性検査
二次試験では面接試験と体力試験などが行われます。また、自治体によっては身体検査や適性検査を二次試験で行う場合もあります。
- 面接試験
:警察官として適性があるかを面接によって判断する。個人面接の場合が多いが、集団面接や集団討論を行う自治体もある。
- 体力試験
:警察官に必要な基本的な身体能力があるかを検査する。種目は自治体によって異なるが、腕立て伏せやバーピーテスト、上体起こし、反復横とびなど体力テストを行う場合が多い。
試験合格後は警察学校で10ヶ月間の研修を受ける
試験に合格するとすぐに現場に入らず、まずは警察学校で警察官に必要とされる基本的な知識や技術、体力を身につけなければなりません。
主なカリキュラムは、次のような内容が設定されています。
- 職務倫理
- 憲法・行政法・刑法・刑訴法
- 交通警察・刑事警察・生活安全警察・警備警察・警務一般などの実務知識
- 体育
- 柔道または剣道(女性は合気道も)
- 逮捕術
- 救急法
- 拳銃操法 など
警察学校は全寮制で、大学卒の場合は6ヶ月間、それ以外の場合は10ヶ月間入校します。また、初任教育を受ける段階ですでに公務員として採用されているため、初任教育期間中にも給与が発生します。
そして、警察学校を卒業後はすぐさま赴任先の警察署に直行し、いよいよ警察官としての勤務が始まります。
【警察官になるには】よくある質問集
ここからは、警察官になりたいと考える人がよく抱く質問について解説していきましょう。
どんな人が向いている?
まず、徹底した正義感や倫理観が求められます。警察官は、時に個人的な偏見を排除して罪を犯した人と向き合わなければなりません。その際、公正な判断を下すためには、感情に振り回されない確固とした正義感と倫理観を持つ必要があります。
また、警察官には協調性やコミュニケーション力も必要です。警察の仕事は、さまざまな専門性を持った警察官が協力しながらチームで進めていくものです。ですので、協調性やチームの関係を円滑にするコミュニケーション能力は不可欠といえます。
そして、何よりタフな身体や長時間の任務にも対応できる体力も必要となります。
どれも、一朝一夕では身につけることが難しいものばかりです。日頃から意識して心がけるようにしましょう。
警察官になるために必要な資格や有利な資格はある?
警察官になるにあたって、必ず取得しておかなければならない資格などは基本的にはありません。ですが、採用試験の経歴評定では、各自治体が指定する資格や経歴を持っていると加点される場合があります。
例えば、武道の初段以上の認定がなされていることが挙げられます。
また近年は日本を訪れたり滞在したりする外国人が増えていることによって、日本語以外でのコミュニケーションも増えてきています。そのため、英語や中国語などの語学系の資格を持っていると有利に働くことがあります。
また、近頃はインターネットを介した犯罪が急増しているため、ITの知識や技術に精通していることも加点要素になります。基本情報技術者試験などの情報処理系資格などがその代表でしょう。
もちろん、これらの資格を持っていなくても合格の可能性は十分にありますが、より合格に近づくためにも加点対象となる資格取得を検討するのも有効です。
ちなみに宮城県警察官B(第107回採用試験例)の加点は下記のとおりでした。
将来性はある?
警察官は、地域の治安や安全を守る存在として欠かせないものですが、一方で人工知能の開発が進み、「将来的には◯◯万人の警察官が必要なくなる」などと言われることもあります。
ですが、防犯対策面や市民の安全面から考えても、今後警察官が完全に必要なくなることは、現実的には考えにくいです。
また、前述したように近年はインターネットやAIの発達によって、犯罪がより複雑に、そして巧妙になっている傾向があります。
そのため、これからの警察官はただ体力があるだけでなく、語学やITの知識など専門スキルを身につけることが必要になると予想されています。
これから警察官をめざす方は、こうした情勢をふまえ、自分に必要なスキルを磨いていくことを推奨します。
より確実に警察官をめざすなら仙台大原簿記情報公務員専門学校で
もちろん、独学で合格をめざすこともできますが、警察官採用試験の試験範囲は広いため、一人で試験に挑むのはなかなか大変な場合が多いでしょう。
仙台大原簿記情報公務員専門学校には、警察官になるための教養試験や適性試験対策を行う、「警察・消防・自衛官コース」があります。加えて、学内にはトレーニング施設なども充実しているため、採用試験で行われる体力試験対策もしっかり行うことができます。
警察官など公安職に特化したコース(1年制と2年制あり)もあるので、絶対警察官になりたいという方はこちらがおすすめです。
まとめ
今回は、警察官になるための方法について解説しました。
警察官は、時にハードな業務を行うこともありますが、地域の安全を守る存在として大変やりがいのある仕事と言えます。
今後、ますます専門性が求められることも予想されますが、人の役に立ちたいと考える方は、ぜひ警察官をめざしてみてください。
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